初恋。2 (ページ9)

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＊過去編＊(Kyungsoo Side) ページ9

暫くその2人のやりとりを見てた。何か大切なものを思い出しそう。男の子は女の子に「僕が高校生になったら日本に行くからその時にこれを返してね。そして大人になったら結婚しよう！約束！」と伝えて女の子の首にネックレスを付けた。女の子は泣きながら何度も頷いて男の子に抱き着いてた。

そのやり取りを見てたら凄く頭痛がして、その場にしゃがみ込んだ。

「…っそうだ」

なんで僕はこんな大切な事を忘れてしまったんだろう。確か僕は日本から来た女の子を見送りにここへ来たんだ。それで確か「高校生になったら日本の高校へ行く」と伝えてペンダントとあと何か渡した記憶がある。そして「大人になったら結婚しよう」と未来を約束した。ここは思い出した。
でも、その女の子とどこでどう出会ってどうしたらそんな未来まで約束するほどの仲になったのかが思い出せない。女の子の顔も名前も年齢も思い出せなかった。

でも一歩前進だ。凄く大切な思い出を忘れてしまってたなんて。あの医者も知っていたんだろう、この出来事を。だからあの時「最近の中で一番大切で一番大切な思い出を失った」って言ったんだ。でもどうやって知ったんだろう。
そんな疑問を抱きつつ父と母の墓参りへと向かった。

月日は流れて中3の春。
僕は受験生の歳になった。未だに女の子は思い出せない。毎日毎日思い出そうとしても思い出せない。
でも、いつかは思い出す日が来ると信じてゆっくりと思い出していこうと心に決めていた。

僕が教室で本を読んでいたときのこと。

担任「ギョンス、ちょっと」

担任に呼ばれて、そのまま廊下へ出た。僕、何も悪いことしてないんだけど…。と思っていたら

担任「お前に会いたいって言ってくれる人がいるんだ。会ってやってくれないか？」

「はあ…」

誰だ？僕に会いたいなんていう人。

？「君がドギョンスくんだね。初めまして。」

僕に会いたいと言ってくれた人は背が高くてなかなか渋いけどかっこいいおじさんだった。
見た目からして日本人っぽい。

「は、初めまして。」

？「君の話は聞いているし、あの時ニュースで見たよ。色々大変だったね。」

嗚呼、「あの時」か。そしておじさんは僕に名刺をくれた。

？「僕は日本の国際高等学校の理事長をしている白石健二郎。君にこの高校に入ってほしくて話をしに来たんだ。」

「はあ…」

白石…？何処かで聞いたことあるよう無いような…。