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お昼休み。
みことと喋っていると、今日の講習後の話になった。
「今日Aさ、二宮先生に日本史の添削してもらうんでしょ？」
「そうだけど」
「いいなあ、だって最後に二人っきりだよ？
何か起こってもおかしくないって〜」
「いやいや、起こることなんて何も無いでしょ」
ふぅーん、とどこか訝しげに見つめてくるみこと。その目には、少し疑念も含まれているような。
でも、温かみのある目。
「なんかあったら絶対に言ってよね」
彼女のお得意の強気な笑みが、私を捉えた。
まるで、この先のことを予知しているかのように。
......私だって、何も期待していないわけじゃない。
だけど、本当のことを伝えてしまえば、先生を困らせることになる。
それか、過去にそういうことがあって、断り慣れているかだ。
先生なら十分に有り得る。
そう思うほどに、どこかで自分の首を絞めているような感覚に陥っていった。
「これで終わり！みんな、お疲れ様でした」
相葉先生の朗らかな声が、教室中に響いた。
午後6時。夏期講習のカリキュラムが、終わった。
添削のない生徒たちは、ぞろぞろと帰っていく。
私を含む数人は、国語や日本史、英語なんかの記述添削を受けてから帰る。
終わってしまった喪失感や、謎の感傷にしばらく酔っていると、後ろから、トントン、と肩を叩かれた。
「二宮先生...」
「ごめん朝比奈、先客がいたの忘れてた。ちょっと待ってもらえるかな？それか、次の授業に先送りにするか」
先客。忙しくて人気の先生なら、いて当然だ。
「じゃあ自習室で待ってます」
「ごめん、すぐ終わるから」
「いえ！私は、何時でも大丈夫ですから。今日は親も出かけていて帰ってこないので、心配掛けるような人はいないし」
「......じゃ、終わったら呼びに来るよ」
もう一度、私の肩にぽん、と手をおいて、先生は早足に教室を出ていった。
先生が別教室に入っていった後、小さく息をつく。
今日、お母さんがいないのは本当のことだ。
なんでも、高校の同窓会があるとかで、その後友人たちと泊まるらしい。
幸い、私は明日までが夏休みだから、寝坊をしても安心。
「あれ、A、二宮先生の添削は？」
相葉先生に質問に行っていたみことが、帰ってくるなり言った。
「それが、先客がいたみたいで。
ちょっと待っててって」
「そっかあ...まあ二宮先生のことだもんね」
「うん......仕方ないよ」
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なの(プロフ) - たぴおか。さん» たぴおか。さん、初めまして！嬉しいお言葉、本当に励みになります！ゆっくり更新となりますが、楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年2月12日 21時) (
レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
たぴおか。(プロフ) - はじめまして ！コメント 失礼します 。最近 読み始めたのですが 、とっても好きになりました ！！ これからも更新 待ってます ！ (2018年2月11日 11時) (レス) id: 7c7e156c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2016年7月13日 20時
