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「朝比奈は将来、就きたい仕事とかあるの？」
「そうですね......教育関係、に関われたらいいなって」
「学校の先生とか？」
「それもいいな、って思うんですけど、塾の先生もいいかもな、なんて」
私がそう言うと、松本先生は驚いたように目を見開いた。
でも、そのあとすぐに、にこやかに言ってくれた。
「俺らが役立ってるなら、本当に嬉しいよ。ほら、学校とかの先生ってさ、職場の雰囲気がわかりやすいでしょ？生徒にとっての勉強してるところが、講師にとっては働く場なわけだから」
「はい、今までは学校の先生になろうかな、って思ってたんです。でも、ここの塾に来てみて、より生徒と先生の距離が近い、というか。学校よりも楽しいんです。勉強の楽しさに、気づけたっていうか」
先生はふふ、って本当に嬉しそうに笑った。
「じゃあ、朝比奈にとっての収穫はあったわけか。まあ、試験までは出来ることをするだけだからね。俺に出来ることがあったら、なんでも言って」
松本先生は、とっても頼りになる。
そのうえ素敵で、生徒からの評判も高い。
そんな先生が、私に『なんでも言って』なんて！！
ニコニコ笑う天使のような笑顔が、最っ高にキュートで、ああ、ほんと勉強頑張ろう、って思わせてくれる。
進路相談も兼ねて指導をしてくれるなんて、ほんと神です。
ありがとう先生。
「ありがとうございました」
「いいえ」
ひらっ、と手を軽く振って、自習室を出て行った先生。
最近暑くなってきたからか、前より短髪になった気がする。
それでも、この時期にあっていて、爽やかで、すごく似合ってる。
夏期講習は、始まったばかり。
だけど、受験へのカウントダウンも着実に始まっている。
......頑張らなくちゃな。
改めて気合いを入れ直そう、と頬をぺし、って叩いた。
夏期講習は、ほとんど毎日ある。
それと一緒に、学校も。
午前中は、古い校舎で汗をかきながら補習を受ける。
お昼を挟んだ午後は、空調の程よく効いた、快適な塾での講習。
全ての教科をまんべんなくやらないと、いざというときに点差が開いたりする。
「じゃ、5分休憩な」
手についたチョークの粉をはたきながら、櫻井先生が言った。
今日は英語。ひたすら英語。
「つっかれたぁ〜」
みことが、机に勢いよく突っ伏した。
補習は、私の学校だけがやってる訳じゃない。
近隣の学校は大体実施してて、電車も歩道も、いつもと変わらない景色だ。
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なの(プロフ) - たぴおか。さん» たぴおか。さん、初めまして！嬉しいお言葉、本当に励みになります！ゆっくり更新となりますが、楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年2月12日 21時) (
レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
たぴおか。(プロフ) - はじめまして ！コメント 失礼します 。最近 読み始めたのですが 、とっても好きになりました ！！ これからも更新 待ってます ！ (2018年2月11日 11時) (レス) id: 7c7e156c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2016年7月13日 20時
