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私もそれ聞いたことあったけど、別に私じゃなくてもいいよね......？
しかも、『変人』ってはっきり言ったよ。
謎の笑いのポイントを持っているらしい先生は、収まったあとも、時々思い出したかのように、ぶふっと吹き出していた。
「ふう......まあね、今日来れてよかった。ほんと、仕事超特急で終わらせてきたんだよ？」
「私も嬉しいです。ありがとうございます」
ぺこ、と頭を下げて、顔を上げると、満面の笑みの中に、何か寂しげな感情をたたえた二宮先生がいた。
「うん、俺もよかった。......じゃあ、そろそろ」
名残惜しそうに扉に向かう。
私もあとからついて、開け放たれた扉の前で、立ち止まった。
「それじゃ、またね」
「ありがとうございました」
......去る前に、最後に見せた表情が、私の脳裏に焼き付いて離れなかった。
一回振り返って、儚げに微笑んだあの顔が。
びりっ、て身体中に電流が流れたみたい。
曲がり角のあとで背中が見えなくなったあとも、しばらくその場に立ち尽くしていた。
文化祭も終わると、同時に部活も終わる。
最終日、4日目の夜に書道部全員で打ち上げをした。
結衣は号泣してて、私と2年生の子で慰めて、1年生は眉尻を下げて微笑んでる、なんていうよくある風景だった。
みんなで焼肉を頬張りながら、思い出とか、楽しかった、ありがとう、そんなことを言い合った。
活動としてはこれで終わりだけど、書道研究室には遊びに行くから、私たちとしてはあまり変わった感じではない。
顧問には進路相談もしてたから、その相談もしに行くし。
それでも、家に帰ってから、寂しさに似た感覚が私を襲ってきた。
「なんだかんだで、楽しかったけど」
ふと声にしてみれば、ちょっとはそんな気持ちも薄れるかな、なんてね。
書道という私の趣味みたいなものが、いろんな出会いを引き起こした。
結衣、後輩、顧問、来てくれるお客さん、そして、先生も。
たくさんの人に出会えたし、いい経験もできた。
中学の部活や大学のサークルとはまた違う、高校の部活。
少人数だったけど、いや、だったからこそ、楽しかったな。
そんな想いをぐるぐると巡らせながら、幸せな気分でその日は眠りについた。
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なの(プロフ) - たぴおか。さん» たぴおか。さん、初めまして！嬉しいお言葉、本当に励みになります！ゆっくり更新となりますが、楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年2月12日 21時) (
レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
たぴおか。(プロフ) - はじめまして ！コメント 失礼します 。最近 読み始めたのですが 、とっても好きになりました ！！ これからも更新 待ってます ！ (2018年2月11日 11時) (レス) id: 7c7e156c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2016年7月13日 20時
