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3日目。今日はちょっとだけ、特別。
書道部も、女の子しかいないんだし、来てみようよ！っていう結衣の発案で、今日はみんなで浴衣を着ることになった。
おばあちゃんの家にあったという、古いけれどとても綺麗な白ベースの浴衣。
似合っているかはわからないけど、着ているだけで、なんだか大人になった気分。
「A、すっごく似合ってる。可愛い」
「え、そうかな。結衣も綺麗だよ」
すごい褒め合いが始まったけど、そこはうまいこと終わらせる。
「じゃあ一般公開最終日、よろしくね！」
はいっ、って全員で結衣の掛け声に応える。
5人それぞれハイタッチを交わして、頑張ろう、と声を掛け合う。
これが、ずっと続いてきた書道部のルーティン。
ずっととはいえ、十数年前かららしいけど、大切なこと。
これがあるから、笑顔でお客さんを迎えられる。
やってきた人たちは、みんな感嘆の息をもらしていて、私たちのほうが嬉しい気持ちをもらった。
浴衣もかなり評判が良くて、たくさんの人が、素敵ですね、って声を掛けてくださった。
結衣や2年生の子は、依然として忙しそう。
それに比べて、私はとっくに暇人と化していた。
1年生には、他の部活を見に行ったら、って勧めて、嬉しそうに出ていった。
だから、今は私ひとり。
......あれ、昨日も一昨日も、こんな感じだった？
デジャヴか。
ピークも過ぎて、もうお客さんがまばらになってくる、4時ごろ。
5時には終わっちゃうから、そろそろ来なくなるかな、なんて思ってた。
「こんにちは」
聞き慣れた声が、私の左側から聞こえてきた。
反射的にそちらを向くと、今日もキッチリクールビズなスーツの、先生たちがいた。
「松本先生！来てくださったんですね」
松本先生、大野先生、櫻井先生、相葉先生......あれ、二宮先生がいない。
「......あの、二宮先生は」
「ニノはね、ちょっと仕事が残っちゃったから、後から来るってさ」
相葉先生が、明るい声で言った。
......そっか。でも、来てくれるんだよね。
そう思っただけで、胸がきゅ、って音を立てた気がした。
「あら浴衣？お嬢さん似合うじゃない」
櫻井先生が、なんとなくニヤついた顔で言う。
「ちょっと、からかわないでくださいよ」
「いや、本当に似合ってるよ。その浴衣、綺麗だね」
......松本先生に言われると、何故かこそばゆくなる。
いや、褒められたのは浴衣だったか。
「......目録です」
そう一人ひとりに手渡して、展示場に出た。
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なの(プロフ) - たぴおか。さん» たぴおか。さん、初めまして！嬉しいお言葉、本当に励みになります！ゆっくり更新となりますが、楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年2月12日 21時) (
レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
たぴおか。(プロフ) - はじめまして ！コメント 失礼します 。最近 読み始めたのですが 、とっても好きになりました ！！ これからも更新 待ってます ！ (2018年2月11日 11時) (レス) id: 7c7e156c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2016年7月13日 20時
