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「そういえば朝比奈さ、ニノに会えた？」
恒例の休み時間、入った瞬間に相葉先生が話しかけてきた。
ニノ......って、二宮先生、のことだよね？
「あ、二宮先生ですか、会いましたよ」
自分で言って、さっきの光景を思い出す。
先生の柔らかな笑みが、私の心から、離れない。
つい思い返して、ボッ！って顔から火が出そうになった。
「朝比奈？どうした？」
心配そうに相葉先生が、私の顔をのぞき込む。
その距離も何だか近くって、余計にドキドキする。
「な、何でもありませんっ」
ホント？って少し疑われつつも、相葉先生が話し出す。
「いや今日ね。ニノさ、別会場で授業なんだけど、プリント忘れたらしくてさ。それでたまたまこっち来てたから、朝比奈のこと褒めてあげてー、って言ったんだよね」
ニコニコしながら、自分を褒めるように言う先生。
......相葉先生、なんかありがとう。
いや、本当にありがとうございます。
今日まさか会えるだなんて思ってなかったし、すごく、嬉しかった。
二宮先生に、『よくやった』って言われただけで、こんなに幸せだなんて。
私、どうかしちゃったのかな。
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頭に、まだあの優しい手の重みが残っているようで。
ひとりでに気持ちだけが歩いて行ってしまいそうで、ちょっとだけ、怖い。
だけど、そんな私の胸中を知らない先生は、今度はみんなに向かって言った。
「いやー皆も期待してるよ？俺と幸せ共有しようね」
ふふ、って微笑んだ相葉先生。
......先生、一歩間違えたらその言葉、告白ですよ。
今までの話の流れが無かったら、完全に勘違いしますよ。
「はい、頑張りますーーーっ！！！」
一瞬で皆の表情が、真夏の太陽みたいに、ピッカー！って輝く。
......相葉先生のチカラ、恐るべし。
一言で人のやる気を引き出せる。すごいな。
......あ、いや、ちょっと違うか？
うちらが単純なのかな？
......まあ、そんなところも分かってて、言ってるんだろうけど。
笑顔を絶やさない相葉先生は、教室を明るく照らす。
「さあさあ！授業の続きやるよ」
名残惜しそうな皆をよそに、先生はワイシャツの袖を捲り上げた。
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なの(プロフ) - たぴおか。さん» たぴおか。さん、初めまして！嬉しいお言葉、本当に励みになります！ゆっくり更新となりますが、楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年2月12日 21時) (
レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
たぴおか。(プロフ) - はじめまして ！コメント 失礼します 。最近 読み始めたのですが 、とっても好きになりました ！！ これからも更新 待ってます ！ (2018年2月11日 11時) (レス) id: 7c7e156c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2016年7月13日 20時
