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「そういや、藍沢んとこも行ったよ。もうほとんど模擬店終わってたけどな」
授業の準備をしながら、はは、と短く笑う先生。
それと相反して、みことは驚きに目を輝かせていた。
「えっ！櫻井先生、いらっしゃってたんですか！何で声掛けてくれないんですか〜」
がくり、と残念そうに項垂れる彼女。
後ろでひとつにまとめた髪も、心なしかしょんぼりしたような。
「あ、でも藍沢吹部でしょ？フルートのソロやってたよね」
「え、ちょっと先生ー！！その場で言ってくれたらよかったのに」
ますます首が深く落ちた。
そして、ついには机に突っ伏した。
「え、そんなに俺に声掛けてほしかった？」
「そりゃあそうです！！来ていたなら言ってくださいよ、何か水くさいじゃないですか」
うん、それもあるけど、まず櫻井先生と喋ってる時点で絶対に女子がチラチラ見てくる。
そして後から、『あのかっこいい人誰？』『塾の先生だよ』的な会話になる。
......まあ、ここに通っている以上、謎の優越感に包み込まれる。
何せ、先生が本当にスゴイ。
みんなかっこいいのに、教え方も上手いし、話も面白い。
もう、今更ながら、お母さんありがとう。
勉強もよりできるようになった。友だちも増えた。
そして、素敵な先生たちに出会えた。
今まで塾なんて敬遠していたはずだったのに、数ヶ月でこんなに馴染めるものなんだ、って、自分で驚いた。
「まあ、楽しそうな藍沢の顔見られて、よかったけどね」
先生は、ふわ、って頬を緩めた。
それと同時に、だんだん赤らんでくるみことの頬。
「じゃあ、そろそろ授業しますか」
......あれ、みことさん？
目がとろんとしちゃってるけど......
そしてそのまま、授業は始まっていった。
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「やっぱ私相葉先生も櫻井先生も好き！！」
「あんだけ相葉先生にゾッコンだったのにね。櫻井先生すごいわ」
とあるカフェ。二人でアイスティーを飲みながら、話していた。
休日だけど、時間が早いからか、店内は人がまばらにいるだけだ。
「ね、だってさ、『楽しそうな顔見れてよかった』って！そんなこと言われたらそりゃ好きにもなるでしょう！」
「まあ......確かに、あれだけかっこいい人に言われたらね、なるかも知れないけど」
ストローで、溶けて小さくなった氷をつつく。
氷とグラスがぶつかって、カラン、と小さく音を立てた。
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なの(プロフ) - たぴおか。さん» たぴおか。さん、初めまして！嬉しいお言葉、本当に励みになります！ゆっくり更新となりますが、楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年2月12日 21時) (
レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
たぴおか。(プロフ) - はじめまして ！コメント 失礼します 。最近 読み始めたのですが 、とっても好きになりました ！！ これからも更新 待ってます ！ (2018年2月11日 11時) (レス) id: 7c7e156c03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2016年7月13日 20時
