▼ ページ14
.
｢すごく嬉しい……こんなに素敵なプレゼント、貰っていいの……？｣
｢Aさんのために選んだんだよ？……俺からの、大好きだよっていう気持ち｣
｢……ふふ。ありがとう、潤くん｣
そう言って掌に雪の結晶を載せて、照明が当たって散っていく輝きを見つめては、柔らかく微笑む。
……よかった、喜んでくれたみたいで。
瞳をきらきらとさせて、俺とピアスを交互に見てにっこりと笑う姿は、本物の天使なんじゃないかと、思わず錯覚してしまいそうになった。
本当に可愛らしい。
両手で頭を抱えたくなるくらい、それくらいに愛おしい。
｢ねえ、潤くん｣
｢ん？｣
｢着けてみても……いい？｣
……俺の思考を読み取ったかのように、こんなことまで言ってくれる。
そんなの、いいに決まってる。
というより、寧ろ見てみたい。
俺が、彼女に絶対に似合うと思って選んだ煌めきを、彼女自身が纏っているところを、この目で見たい。
うん、と微笑みを隠しきれずに頷くと、彼女はにっこりと笑って、今つけているパールを、そっと外した。
……その仕種でさえ、美しくて。
俺は、雪の結晶が彼女の耳元を飾る瞬間を、ただただ見つめていた。
｢……似合ってる、すごく綺麗だよ｣
｢もう……あんまりそういうこと言うと、照れちゃうよ？｣
そう言ったAさんは、頬を紅く染めながらも、嬉しそうに笑う。
……本当に、綺麗だ。
今日の少しルーズなアップスタイルの髪型と、ふわっとしたニットのトップスに、見事にハマってる。
少し顔を動かす度に、ゆらゆらと揺れ、キラっと輝きを放つそれは、思わず目で追いかけてしまうほどで。
……そして、何よりも、彼女が嬉しそうなことが、俺にとっては一番喜ばしかった。
パールのピアスを代わりに箱の中へ閉まって、丁寧にリボンをかけ直した。
そして、俺に向かって、女神様のように微笑む。
｢ありがとう｣
……また、好きが強まる。
混じり気のない、純粋な笑顔ほど、俺を揺さぶるものはないんだ。
……いつもよりも、ドキドキした。
俺が、彼女を笑顔にさせているという事実がそこにあるだけで、物凄く嬉しくなった。
俺も、かなり単純なんだろうな……
Aさんを見つめると、少し恥じらいを見せながらも、俺のことを見つめ返してくれる。
そして、手元のケーキに視線を落とすと、食べよっか、と言って笑顔を見せた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 295人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なの | 作成日時：2019年12月21日 0時
