嘘と花束【ARS】 Part4 (ページ6)

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……優しく、何度も重ねるように、軽く口付けをする。
さっきまで開いていた目は、自然と閉じていた。

……甘く繰り返される、優しいキス。
私は柔らかなベッドに沈み込んで、受け止めているだけだけれど……

少し経った後、二宮さんの唇が、離れていくのがわかった。
薄く目を開いてみると、見たことのないような、美しい表情をしていた。

「……俺も大概だよね。我慢ならない、っつーか」

そう言っているけど、顔つきは柔らかい。
逸らせなくなるような、魅惑的な瞳をしている。

……私、自分の気持ちが、ますますわからなくなってきた。
二宮さんに惹かれているのは事実だとしても、櫻井さんに対しても、同じような感情を抱いてしまっている。

なのに、そんなこと、ダメだってわかってるのに……

受け入れてしまう私は、ずるいのかな。

ぼーっとした頭で考えても、何も埒が明かない。
そんなふうに思っていると、突然、二宮さんに抱きしめられた。

「……俺、Aのこと、もっと好きになっちゃうかも」

耳元で、本当に小さな声で、そう囁いた。
髪を優しく梳くように撫でる手が、だんだん心地よくなってくる。

……そんなこと言われたら、私だって、心が揺らぐ。
抱きしめる力が強くなったような気がして、ふと、二宮さんに視線を送った。

すると、その瞬間に、目が合った。

「……まだ、足んない」

そう微笑んだかと思うと、抱きしめていた手を少し緩めた。

そして、もう一度、唇を重ねられる。

……私の唇を食むように、深く交わされる口づけ。
他のことは何も考えられなくなるほどに、私も夢中になっていく。

「……ね、目開けて」

離れた一瞬の隙に、囁いた二宮さん。
不思議とその言葉は私の脳内に届いて、反射的に、うっすらと目を開けた。

……再び繰り返されるキス。
必死に、言われたとおりに目を開けていると、薄く開かれた二宮さんの瞳が、私を捉えた。

……溺れてしまいそうなほど、深い。
甘い感覚で、脳が麻痺しそう。

視線を絡ませたまま、何度も何度も、口づけを繰り返す。
引き寄せるように、優しい手が、頭に添えられた。

「好きだよ……A」

……二宮さんに言われた通りになるのも、時間の問題かもしれない。
今私の頭の中にあるのは、目の前にいる二宮さんのことだけなんだから。

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