嘘と花束【ARS】 Part4 (ページ15)

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二宮さんに寄り添うように、歩幅とペースを合わせて、歩く大野さん。
私たちも、2人の後に続いて、船を降りた。

「……見て、すごい」

本島から20分の距離とは思えないほど、景色は違っていた。

白く伸びる橋と、これまた真っ白な砂浜。
そして、嘘みたいに青い、海と空。

相葉さんが、思わず感嘆の声を漏らした。

「じゃあ、すぐに撮影に入りますので、準備の方よろしくお願いしまーす」

海岸を見てみると、既に多くの撮影スタッフさんが、機材の調整に入っていた。

……思ったより大人数。
やっぱり、5人一緒での撮影とあって、カメラもたくさんあるし、スタッフの数も比じゃない。

今回は、海辺での撮影だと聞いていたけど……
本当に、美しいCMになりそう。

5人は衣装に着替えるため、スタッフさんに連れられて、島内の建物へと向かっていった。

私たちマネージャーは、撮影陣のみなさんに挨拶をしつつ、5人を待つことに。

「……本当に綺麗」

海岸の端で、5人のマネージャーさんと一緒に、海を眺めていた。

少し離れたところでは、すぐにでも撮影を始めるための準備が行われてる。
一本のCMを撮影するために、こんなにたくさんの準備と、人が必要なんだ……

私たちは、帰った後のスケジュールの話や、新曲のPV撮影の話なんかをしながら、5人が戻ってくるまでの時間を過ごしていた。

マネージャーさんたちは、私に信頼を置いてくれているらしく、この日は来てもらえないか、とか、代わりに入ってくれないか、とか、色々なお願いを貰える。
その分だけ、私の勉強にもなるし、『仕事』ができる。

……ただ、私がなぜ、こんなにも彼らから信頼されるかは、わからない。
マネージャーさんに聞こうにも、なんだか憚られてしまって……

その疑問だけは、いつでも消えないけれど、それを気にしなくなるくらい、今はこの仕事が楽しい。
こんな毎日が、いつまでも続けばいいのにな……

「よろしくお願いしまーす」

ぼんやりと考えていたところに、カラフルなアロハを身にまとった5人がやってきた。

……何を着ても似合ってしまう。
衣装だけど、さっきよりリラックスして、楽しそうな雰囲気。

現場の皆さんも、そんな彼らを見ると、熱気と活気が倍くらいになったような気がした。

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