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コンコン、と控え室のドアを、ノックする。
内側から、はい、という声が聞こえたから、私はドアを押し開けた。
「……二宮さん」
「お疲れ様。入って？」
至って、いつも通り。
二宮さんにとっては、普通に仕事の日でもある。
柔らかく微笑むと、見ていたスマートフォンの画面を閉じて、机の上に置いた。
私は促されるまま、いつものように、二宮さんの隣に寄っていく。
……それは、おいで、と呼ばれるからだ。
楽屋で二人きりの時は、常に隣どうしでいる。
初めは、部屋の隅のパイプ椅子に座っていたんだけど……
二宮さんに手招きされて、隣に座るように促されるようになった。
その時に見せてくれた笑顔が、とっても素敵で……
それからというもの、二宮さんの隣は、私の特等席になっていた。
「……なーに黙ってるの」
どこか緊張していた私は、言葉を発せずにいた。
それをわかっているんだろう、二宮さんが、面白がるように聞いてくる。
「……ふふ、今日、表情カタいよ？」
……全部、読まれてる。
誕生日を忘れるなんてこと、こういう職業についていればそうそう無いはずなのに、敢えてそれを言わない。
きっと、私が言うのを、待ってくれているんだろう。
からかうような口調でも、優しい微笑みを絶やさない。
その目に惹かれるように、私は口を開いた。
「二宮さん……今日、お誕生日ですよね。おめでとうございます」
そう言うと、二宮さんは、ふっと口元を緩めて、本当に嬉しそうに笑った。
「……ありがとう。ちゃんと、覚えててくれたんだね」
「もちろんです。忘れるわけないじゃないですか」
「ふふ……わかってるよ。Aは真面目だから、そういうのもちゃんとしてくれるんだろうな、って思ってたから」
にっこり、満面の笑み。
……この笑顔が見られるだけで、幸せなのかもしれない。
「今日が俺の誕生日だから、俺のとこについてきてくれたの？」
「……はい」
……まあ、二宮さんが気付かないわけがない。
というよりも、そう思うのが普通だろうし。
見抜かれてしまったのは、なんだか恥ずかしい気もするけど、今は気にしないことにしよう。
嬉しそうな笑みを浮かべた、二宮さん。
……もっと、笑顔が見たい。私が、笑顔をあげたい。
いつも私に、優しさと、元気と、いろんな力をくれるから。
言葉の端に含んだ小さな愛情を、くれるから。
いつしか、そう感じるようになっていた。
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akane2942(プロフ) - はじめまして。嵐さんロスで5人の小説を探していたところ、素敵な作品に出会えて1日で読んでしまいました！ドキドキする展開が多く、楽しみながら読ませていただきました。学業等、プライベートを大切に、また更新していただけたら嬉しいです。楽しみに待っています！！ (2021年1月8日 23時) (
レス) id: 869dcd25b4 (このIDを非表示/違反報告)
LKmama(プロフ) - ゆっくり(^^) ご自分のペースで(^^) また読ませていただける日を楽しみに待っています(^^) (2020年10月15日 18時) (レス) id: 3dceac6b69 (このIDを非表示/違反報告)
まっしゅるーむ - 初めまして。たまたま見つけて読ませてもらったんですけど、すっごく面白くて続きが気になります…！時間あるときにまた更新してくださると嬉しいです。更新されたら飛んで見に来ます！ (2020年3月23日 22時) (レス) id: 4b4c4f73c8 (このIDを非表示/違反報告)
さーやん(プロフ) - はじめまして。コメント失礼致します。ひょんなことからこの作品に出会い、1日で最新話まで読破しちゃいました。作品の雰囲気、作者さんの表現力がとても素敵です！続きを楽しみにしております！ (2020年3月5日 10時) (レス) id: b7052756db (このIDを非表示/違反報告)
ゆるる - 一日でぜーんぶ見入ってしまいました…！続きの話早く見たいです。待っています！ (2020年1月26日 18時) (レス) id: 66a8b92992 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2019年12月6日 19時
