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「……ごめんなさい。私のせいです。私が、しっかりしていなかったから」
「違うよ、A。俺だって起きられなかったし、Aのこと、ちゃんと考えられてなかった」
不幸中の幸いで、道路は空いていたから、映画館には余裕を持って到着できそうだった。
……マネージャーである私の、完全なミス。
なのに、櫻井さんは、優しい表情で語りかけてくれる。
「そんなに悪く思わないで。もし、俺が一人だったら、もっと遠くまで寝過ごしてたかもしれないんだよ？Aがいたから、こうやって間に合える」
「でも……本当に、ごめんなさい」
「大丈夫。気にしちゃだめだよ。まあ、俺も……久々に寝過ごしたなあ」
眉尻を下げて、柔らかく微笑んだ。
……こんな、許されないはずのミスをしても、どこまでも優しい。
いろんな人たちが慕いたくなる気持ちが、痛いほどにわかった。
その後、映画館に着くまで、櫻井さんは私を励まし続けてくれた。
何度も何度も、その優しい笑顔で許してくれた。
その表情を見ているうちに、なんだか、救われるような気がして……
そうだよね。
いつまでも沈んでいたって、誰もいい思いはしない。
ミスはしっかり受け止めて、次に繋げることが大事なんだから。
関係者入口に付けてもらって、私たちはタクシーを降りた。
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舞台挨拶は、映画の上映前に行われた。
私はというと、関係者席で空いている所があったから、そこで見させてもらえることになった。
会場に入ると、すでに若い女性でいっぱい。
私とそんなに歳の変わらない人たちも、たくさんいた。
……そろそろ、始まる時間。
舞台挨拶のMCの方が壇上に登場して、いろいろな諸注意をしたあと、早速出演者が紹介されることになった。
大きな拍手と歓声に包まれながら、櫻井さんを筆頭に、出演者のみなさんが登場する。
初日舞台挨拶とあって、お客さんの熱量も高い。
そして……
黒のスーツに身を包んだ櫻井さんは、本当に素敵に見えた。
会場も、櫻井さんの一挙手一投足に、視線を注いでる。
舞台挨拶は、私にとって初めての経験。
映画に関する質問を投げかけられたり、共演者の印象を聞いたり。
……こんなふうに、お話を聞いてるんだ。
撮影秘話や、舞台裏を知ることで、一段と映画が楽しめる、ってことかな。
楽しそうに話している壇上の皆さんにつられて、会場にも笑いが起こったり。
和やかな雰囲気で、会は進行していく。
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なの(プロフ) - Kenさん» Kenさん、初めまして！嬉しいコメントありがとうございます！！たくさん更新していけるよう頑張るので、応援よろしくお願いします('∀'*) (2018年12月19日 21時) (
レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
Ken(プロフ) - 初めまして。作品を見つけて一気に読んでしまいました 。続きが気になります。更新されるのを楽しみにしてます☆ (2018年12月18日 23時) (レス) id: 6597b5370f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2018年12月6日 19時
