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平日の昼間だからか、電車内はガラガラで、車両の一番端に並んで座れた。
乗っている人は、外回りのサラリーマンや、ゲームに夢中の男子大学生、ゴルフクラブケースをもった年配の方などなど。
女の人もいたけど、こちらのことは全く視界に入っていないらしく、スマホを見ることに集中していた。
櫻井さんは、キャップとマスクで軽い変装をしていて、バレにくくはなっているけど……
やっぱり、いつバレるかわからない。
隣に座っているだけで、心臓がうるさいくらいに鳴り出す。
でも、それだけではなくて……
単純に、こんなに近い距離で、長い時間一緒にいることがなかったから、そのドキドキも止まらなかった。
それなのに……
「……ちょっと、寝てもいい？」
「はい、もちろんです」
朝からの撮影でお疲れだったのか、眠そうな目をしていた。
私もやはり寝不足気味で、少し眠かったけど、寝過ごしたりしたらまずい。
とりあえず、私は東京に着くまで、寝ないように頑張らないと。
「……ありがとう」
とろんとした目で言った瞬間、私の左肩に、初めて感じる重みが加わった。
「櫻井……さん？」
私の肩に、頭を預けて、穏やかに寝息を立て始めた。
……どうしよう。余計に鼓動が加速する。
こういう時、どうするのが正解なんだろう。
ちら、と視線を下に向けると、無防備に投げ出された、櫻井さんの右手があった。
……綺麗な手。
今まであまり気にしたことがなかったけど、よく見るとその美しさに気がつく。
その時、不意に……
触れてみたい、と思ってしまった。
私の左手をだんだん近づけていくと、何かを探すように動いた櫻井さんの手が、触れた。
そしてその瞬間、まるで見えているかのように、ぎゅっと指を絡ませられた。
……待って、思考が追いつかない。
今、私、どうなってる？
非現実的すぎて、頭が混乱する。
その間にも、手を通して確かに伝わってくる熱が、いっそう私を惑わせる。
これがいわゆる、『恋人つなぎ』ってやつなのかな……？
そして、こんな状況にしては、かなり大胆な行動。
……櫻井さん、寝ているはずだよね？
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なの(プロフ) - Kenさん» Kenさん、初めまして！嬉しいコメントありがとうございます！！たくさん更新していけるよう頑張るので、応援よろしくお願いします('∀'*) (2018年12月19日 21時) (
レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
Ken(プロフ) - 初めまして。作品を見つけて一気に読んでしまいました 。続きが気になります。更新されるのを楽しみにしてます☆ (2018年12月18日 23時) (レス) id: 6597b5370f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2018年12月6日 19時
