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ここまで、3人の歌を聞いてきたけど、声質が全然違う。
きっと、相葉さんと大野さんも、もちろん違っているはずで。
なのに、5人の声が合わさると……
私は、あの時の感動が忘れられなかった。
初めて、嵐の曲を聞いた、あの時。
映像超しに聞いた声は、まるでひとつの楽器で奏でられているような、親和度だった。
それぞれに違う。そのはずなのに、5人揃うとひとつになる。
まさにその作業が、私の目の前で進行している所。
一人ひとりの声を重ね、集めるだけで、あんなにもまとまってしまうんだ。
ひたすらに歌う松本さんを見ながら、ぼんやりとそんなことを考えていた。
松本さんがユニゾンパートに移った頃、コントロールルームの扉が薄く開いた。
反射的に振り向くと、二宮さんが顔だけ覗かせていた。
「……帰るね｣
「お疲れ様でした」
私がそう言うと、柔らかく微笑み、扉をパタンと閉じて、帰っていった。
……二宮さんは、この前のことをあまり気にしていないみたい。
風邪のことももう大丈夫だし、これまでと同じ関係に戻れたようで、嬉しかった。
そして、その30分後くらいに、松本さんのレコーディングも終わり、ブースから出てきた。
私のことを見ると、ぱっと笑顔になったように見えた。
それにつられて、私も微笑む。
「……どうだったかな、歌｣
「松本さんの声って……すごく、魅力的だと思いました。なんていうか、曲に寄り添って歌っている感じがして……」
全員それぞれに素敵な歌声を持っていて、ずっと聴いていたい、と思える。
松本さんは、歌っている姿と一緒に、声を聴いていたい。
とても真っ直ぐに歌に向かう姿は、心打たれるものがある。
そして、その歌声は、聴いていて心地がいい。
私の言葉を聞くと、ほっとしたように、表情を緩めた。
「……ありがとう。Aちゃんにそう言ってもらえたら、なんか……すごく嬉しい」
ただ、率直な感想を言っただけなのに、こんなに笑顔を見せてくれるなんて。
私まで嬉しくなっちゃう。
子どもみたいに無邪気に笑う顔が、本当に可愛らしい。
きっと、ずっと真っ直ぐに生きてきたんだろうな……
櫻井さんや二宮さんと同様に、歌のチェックを終わらせて、移動の準備をする松本さん。
私はまだ残る予定だから、その背中を無意識に目で追っていると……
不意に、私の方をぱっと振り向いて、松本さんが言った。
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なの(プロフ) - Kenさん» Kenさん、初めまして！嬉しいコメントありがとうございます！！たくさん更新していけるよう頑張るので、応援よろしくお願いします('∀'*) (2018年12月19日 21時) (
レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
Ken(プロフ) - 初めまして。作品を見つけて一気に読んでしまいました 。続きが気になります。更新されるのを楽しみにしてます☆ (2018年12月18日 23時) (レス) id: 6597b5370f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2018年12月6日 19時
