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『特別』
そう、二宮さんは確かに言った。
今は何事も無かったかのように会話しているけど、内心はずっとドキドキしっぱなしだった。
すると、そんな私の胸中を察したかのように、ドアが開いた。
「……あれ、ニノまだいたの？」
そこにいたのは、松本さんだった。
いつものように、お洒落な服装で、にじみ出るオーラが隠しきれていないくらい。
「Aちゃんは、今日は一日中ここ？」
「はい。貴重な機会ですから、みなさんのレコーディング風景を見てみたいな、と思って」
「そうなんだね。……ニノは終わった？」
「歌入れは。あとチェック入れたらおしまい」
次は松本さんだったらしく、二宮さんがいることに驚いている様子。
午前中は仕事が入ってなかったから、早めに家を出てきたんだとか。
そっか、と言って、スタッフさんに促されるように、ブースの中へと入る。
ヘッドホンを付けると、水をひと口飲んだ。
二宮さんと一緒に、松本さんの様子を見守る。
スタッフさんと少し会話をして、ソロ部分から録り始めた。
「……Jはね、ハモリがいつも多いんだけど……今回は俺と大野さんが担当だから、珍しく無いんだよね」
「そうなんですか」
確かに、前もらった資料にもそんなようなことが書いてあった気がする。
特に近年は、ハモリは松本さんが多くを担っていたみたい。
……気持ち良さそうに歌う松本さん。
その姿さえも様になっているし、歌詞が心に直接届くような、丁寧で優しい歌声。
歌詞カードにいろいろと書き込みながら、何回もテイクを重ねる。
「こんな感じでレコーディングしてるんだね」
……そうか。
普段他のメンバーのレコーディングを見ることなんて滅多に無いから、自分以外の人がどうなっているのか、わからないんだ。
ふと二宮さんを見てみると、真剣な眼差しで、歌い続ける松本さんを見つめていた。
「……二宮さん、お願いします」
その時、背後から、スタッフの方が小さな声で二宮さんを呼んだ。
やっと、チェックの準備が整ったみたい。
「じゃ、行ってくるね。意外と早かったな」
「はい。行ってらっしゃい」
軽く微笑んで、向こうの部屋へと消えていく二宮さん。
そしてその間にも、松本さんのレコーディングは続いていた。
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なの(プロフ) - Kenさん» Kenさん、初めまして！嬉しいコメントありがとうございます！！たくさん更新していけるよう頑張るので、応援よろしくお願いします('∀'*) (2018年12月19日 21時) (
レス) id: d783c00f36 (このIDを非表示/違反報告)
Ken(プロフ) - 初めまして。作品を見つけて一気に読んでしまいました 。続きが気になります。更新されるのを楽しみにしてます☆ (2018年12月18日 23時) (レス) id: 6597b5370f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なの | 作成日時：2018年12月6日 19時
