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・ 芥川龍之介(4) ページ19

その時だ。


「『異能力』《月夜の浜辺》!!」


大きく辺りに響かせる高い声が
『死』の代わりに私の中に入ってくる。


力強く拳を振るう彼女。

その拳は芥川の頬に直撃する。


「………がっ!!」


その勢いで
芥川は吹き飛ばされ壁にめり込んだ。

私を捕らえていた芥川の羅生門も
芥川と一緒に私から離れる。


「リイナ!!」


彼女は私に駆け寄る。


「大丈夫!?何があったの…!」


「…あ、うん…ちょっと、ね」


私は笑って彼女と視線を合わせる。


「とりあえず…立って!
あとそれくらいなら異能で何とかできる?」


明るい彼女…アラナは私に手を差し伸べた。

私は笑顔のままだったが、


………その明るさを拒んだ。


自身の腕を押さえ、自分の力で立ち上がる。


「もちろん、できるよ」


笑顔を絶やすことなく、彼女を見たつもりだ。

ただ、偽りの明るさは本物の明るさに
勝てることは無かった。








〜ここからはアラナ視点〜


「『羅生門』……《顎》」



リイナが異能で傷を直した瞬間だ。

砂煙の中から黒い物体───羅生門が
私たち目掛けて飛んできた。

私とリイナはそれを容易に避けた。

来ることはお互い予想がついていたからだ。

自然と目を合わせた私たちは
ニッと歯を出して笑顔を顔に出す。


「……リイナ意外とやるじゃん」


「アラナこそ。
さすが幹部の部下だけあるね」


正直、何も分からない無知なリイナという印象が私の中では強かった。

だから避けられない何て考えが
私の中にはあったのだ。


「……貴様…何故、僕の邪魔をした。
邪魔をするなど、あって良いことではならぬ」


羅生門と入れ替わるようにして
砂煙の中から彼───芥川が現れる。

私の傷つけた頬は赤く腫れていた。

そして表情からは私に向けられた怒り、
リイナにはまた別の負の感情を
抱いている様子を伺えた。


「簡単なことだよ。
……自分の同僚を殺す事は絶対許さない。

それとも首領にそう、命令されたの?」

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設定タグ:太宰治 , 中原中也 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:kana | 作成日時:2021年8月23日 20時

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