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・ 見知らぬ人 ページ27

………あれ、なんでだろう。


なんで太宰の言葉や自分の言葉を忘れて…


ところどころパズルのピースがかけたように自分の過去の記憶が無くなっていた。


私はそんな自分に失望する。


───大切な人との過去を忘れるなんて。



その気持ちは溜め息として私の口から吐き出されるのだった。


なんで忘れているんだろう……私。


「はぁ………」


「溜め息をついてしまえば、貴方の幸せが逃げますよ」


刹那、私の隣から聞こえる女性の声。
驚いた私はすぐさま隣の女性に目をやった。


どこまでも深い漆黒のような色の髪、
腰まで長い髪をおろしていた彼女は
現代の人では、あり得ないような紫陽花色の浴衣を着ていた。


でも彼女は日本人なのか、私を写す透き通るような美しい茶色の目をしていた。


かんたんに言えば
……1000人に1人か2人くらいの美人。


「………⁉だ、だれ…!」


私の変わる表情を面白がったのか


「…ふふ、私は山崎美江(やまざきとみえ)
貴方の隣につい先程から座っていますよ」


落ち着いた声で私を笑った。

今日はいろんな人に会う日だな…と
私は胸の中で呟く。

私は崩した表情をすぐに笑顔に戻して…


「そうなんですか、全く気づきませんでした。…私は雨宮リイナです」


彼女に笑いかけた。

こんなことで動揺してはいけない。
太宰に言われたのにわすれていた。


「雨宮………リイナ」


彼女は刹那、厳しい表情を見せるものの
私に訪ねた。


「………貴方、ポートマフィアね。
プリズナーをおっているのでしょう」


「………っ!
な、何故それを……」


「私もポートマフィアですから」


彼女の言葉を聞いたとき、私は疑問を覚える。

ポートマフィアでは彼女を見たことがなかったからだ。
彼女が仕事をしているところはおろか、姿すらも今初めて見た。

こんな美しい女性が私の目の前を通るのならば、きっとはっきりと記憶に残るはずだ。


………ただ、それは違うのかもしれない。


私がオダサクを知らなかったように
私はマフィア内での関係が少ない。


もしかしたら、私が見ていないところで彼女はマフィア内で仕事をしているのかもしれない。


そもそもこのバーはマフィアが経営している場所だからだ。


ただ私はアラナ程、推理力が優れている訳ではない。



だから今は彼女を少し疑うことにした。


「そうなんですか…
マフィア内での階級は?」


まず、階級から知らなければならない。

そう思って訪ねた私は予想外の返答を聞くことになる。

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設定タグ:太宰治 , 中原中也 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:kana | 作成日時:2021年8月23日 20時

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