慰め方解説【影山飛雄】 ページ1
俺の腕が熱を持ちながら腫れていた。
休日の昼間、キッチンでそれは起こった。
俺の家は居間からキッチンの様子を見ることができる。今日はAが俺の家に来て、昼ごはんを作ってくれているのだ。
Aは隣に住む幼馴染だったが、最近恋人同士という関係に変わった。具体的に何が変わったと言えば、上手く言えないけど。
「……っ」
そんなAが一生懸命に腕を伸ばして戸棚を開けようとしている。微笑ましいのでひとしきり見ていた。
姉も料理をするが、背が高いのでよく使う器具も高い戸棚に入れてしまうのだろう。Aには届かないらしい。
面白いのでもう少し見ていたい。
Aが椅子を持ち出そうと振り返ったタイミングで、俺は立ち上がりキッチンに向かう。
もう満足したので手伝おうとしたのだ。
「何取ればいい？」
Aの隣に立つ。エプロン姿が新妻みたいだ。
「フライパン。大きくて蓋がついてるやつ」
「わかった」
そう言って戸棚を開けた時だった。
「飛雄危なっ＿＿＿」
Aの声が調理器具がぶつかり合う音で掻き消された。
俺は咄嗟に腕で自分の顔を庇う。案の定、フライパンが俺の頭上に降ってきた。
けたたましい音が止み、辺りが静まり返った。
腕から鈍い痛みが響いた。
「……」
姉貴、雑に仕舞すぎだろ。
横を向いてAの安全を確認する。
「A大丈夫か？」
「飛雄！」
何だか辛そうな顔だ。どこかぶつけたのだろうか。
「腕大丈夫？！」
「……は？」
みるみる内に俺の腕が熱を持って腫れ出した。
怪我をしたのは俺だった。
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さんおんとう - しおきゃらめるぱふぇさん» こんな全然更新していない短編を読んでいただき大変光栄です！ありがとうございます、嬉しいです！！ (2021年9月12日 18時) (
レス) id: 38b41d87eb (このIDを非表示/違反報告)
さんおんとう - 抹茶in6年生さん» 勿体ないお言葉で恐縮です。ありがとうございます！ (2021年9月12日 18時) (レス) id: 38b41d87eb (このIDを非表示/違反報告)
しおきゃらめるぱふぇ - いつの間にか何回も評価ボタンを押しまくっている自分にビックリ☆←むっちゃおもろいっス！！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: c7f2f9aa97 (このIDを非表示/違反報告)
しおきゃらめるぱふぇ - 作者さん、あなたは私をキュン死させるきでｓ、、、、バタッ (2021年8月2日 13時) (レス) id: c7f2f9aa97 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶in6年生 - 白布先輩の話読んで確信しました。文才ありますね！(^^) (2021年7月8日 6時) (レス) id: 39b7fcf3e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さんおんとう | 作成日時：2021年2月11日 15時
