君の香りで僕らは息をする(4)（SN）

＊ ページ35

(目黒side)

Aはまだ帰ってこない。



ラウールがいつの間にかグループ通話を繋げて他のメンバーと話していた。









(ラウール)『Aちゃん家にいるの！』



(岩本)《Aいんの？》



(ラウール)『居ないけど家に入ってる。』



(深澤)《どうせ目黒が開けたんだろ笑》









みんなもおいでよ〜なんて言って無邪気な末っ子。



いやいや、お前ん家じゃないからな？笑









結局俺も会話に参加した。



いつの間にか全員で話してた。






俺のスマホが鳴る。









｢うぉ、Aからだ。｣



(ラウール)『もう帰ってくるかな。』









｢もしもし。｣



(結城)『…』









電話に出たけど声が聞こえない。



聞こえてくるのは車が揺れる音だけ。









｢おーい。なんかあった？｣








という俺の問いかけと同じタイミングて車の開く音が聞こえる。









(ラウール)『ちょ、スピーカーにして。』









ラウールに言われた通りにスピーカーにした。





嫌な予感がして鳥肌が立つ。









(結城)『……ｶﾞﾀ………やめ……』






(阿部)《ちょ、今の何？！》



(宮舘)《目黒？》







｢やばい。｣









俺自身も頭が回らなくて真っ白。



けどこれだけはわかった。









｢Aが連れていかれました。｣

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