君の香りで僕らは息をする(3)（SN）

怖い ページ24

*

ISLAND TVの撮影を終えた。









｢ねえ樹くん。｣



(田中)『うん？』





｢怖いんだよね。どうしよう。｣









今日が来るのを恐れてた。



ライブ自体は楽しみにしてた。ファンのみんなにまた会えるのも。



でもデビュー発表のこと考えるとすごく怖い。







全Jrの祭典。



SnowManやSixTONESのファンだけじゃなくて、



他のグループのファンもいる。



喜ぶ人もいれば悲しむ人もいて、怒る人もいるだろう。









｢メンバーがいれば怖くないって思ってたけど



やっぱり怖いものは怖い。



他のグループのファンの子達からどんな視線が向けられるか、



どんな言葉をかけられるか。



世間の反応がどうなのか。｣









樹くんからしたらくだらないものだろう。



けど、気になって仕方がない。









(田中)『でもさ、もう言わなきゃいけないんだよ。



後ろには戻れない。



他のこと気にしてたらスタートしくじるぞ笑』









デビューの事を考えるのが苦しくて顔をゆがめてしまう。



樹くんに頬をつままれる。









(田中)『気にしすぎ。顔険しすぎ。



お前は苦しむ必要ないの。



マンズ兄さんのためにも、ジャニーさんのためにも、可愛く笑ってろ。』



｢…なんか話そらした？｣



(田中)『そらしてねえよ笑



ほら、もう準備してこい。』









そう言って彼は私の頭をわしゃわしゃっとする。



怖いということを素直に口にできたことで、



不安だった気持ちが少しずついい方向に向いている気がした。

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