生まれるのは-デュボネ・カクテル- ページ45
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side＿hs
『おはよーございまーす･･･』
兎「それ辻󠄀の服ちゃう？」
『あ、そうなんすよ。何か着て行って？みたいな？そんなこと言われて･･･、もうすぐ来ると思いますけど』
ビンゴやな。
辻󠄀「おはようござ･･･えぇ、！？」
これは気になるし、事情聴取やわ。
星川「お前、やったな」
辻󠄀「何が？」
星川「デートで何があった？」
辻󠄀「･･･どうしたん？」
星川「･･･食ったか食ってへんか聞いてんねん。絶対行ってるやろうけど一応確認」
辻󠄀「行ったよ。もう誰も近づけさせる訳にはいかんからな」
これはどっちや？
辻󠄀「まぁ･･･フレンド？までにはなってるんちゃう？」
星川「辻󠄀ちゃん、珍しく嫉妬に燃えてます？」
辻󠄀「嫉妬？･･･あぁ、そうかも。今、絶賛メンヘラ中かもしらんわ」
菊本のところ行ってもええ？、と聞く辻󠄀ちゃんをこれ以上拘束するのも悪くて、解放してあげた。これは、つまりそういうことやんな。
『星川？』
星川「辻󠄀ちゃんのことどう思ってるん？」
『え、急に何？』
星川「好きなん？」
『･･･うーん、･･･そんな気もするし、しない気もする』
星川「はっきりせんなぁ･･･！」
辻󠄀の服を着た相方は、困ったように私を見る。おおにっちゃんをシンプルに友情に捉えた女は辻󠄀ちゃんの思いにも難色を示すってわけか。私が男やったら絶対こんな女行きたくない。今なら、相方が実生活でモテへん理由が分かる気がする。
『辻󠄀はね、気が合うし、優しい。けど･･･それが恋愛なんかは･･･分からん』
星川「大西は？」
『あいつは、きっと私たちが自分の元を去って行くことが嫌なんやと思う』
星川「もしそうやなかったら？」
『そんなわけないやん』
進に限って、と笑う相方に少しだけ腹が立つ。他人の恋愛に関わる気はさらさらないが、これではおおにっちゃんが不憫に見えて仕方がない。何だか今の私はおかしい気がする。
星川「もうええわ、辻󠄀ちゃんのところに行けば？」
『何でそんなに怒ってるん？』
星川「もう関わってくんな」
『それは無理な話やん･･･コンビやし』
星川「とにかく！･･･今は頭冷やしたいねん･･･」
おおにっちゃんにはああ言ったが、虚勢張ってるのもええ所やな。
『仕事には影響出んようにな』
星川「分かってる」
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作者名：明烏 | 作成日時：2021年11月24日 8時
