世界を大喜利に変える人 (ページ39)

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タバコを吸うと頭が急に冴え出す。

『臭い付くで』

大西「ええの」

『なぁ、』

大西「何？」

『進さ、勘違いしてるんちゃう？』

何となく、思われてるとかが違うような気がしてきた。進の気持ちが何となく。

大西「え？」

『何となくやけどさ。進は、自分の周りの芸人が離れてくのが嫌なだけなんちゃう？･･･ほんまに進の言葉の端を掻い摘んで解釈してるけど』

黒帯の周りは売れていく人が多い。一緒に頑張ってきた人が遠くなっていく。それが寂しいというか、悔しいというか。だからそれを好きという感情に当てはめている。

大西「そんなこと･･･ないよ･･･」

『何か、そんな気がしてならんというか･･･』

大西「そんなこと！･･･ない･･･」

私には進の気持ちが分からない。言葉の真意も全て完璧に汲み取れへんし。

『だから･･･っ、』

押し付けるだけのキス。ほら、子供やって。

大西「俺やって･･･俺やって分からんねん、この気持ちが何なのか。けど、お前を他の誰かに渡したくはないねん･･･」

『傲慢やな』

大西「傲慢やな。けど、辻󠄀に取られたら俺が俺でなくなる気がするっていうか･･･とにかく俺には菊本しか居らんねん」

口下手なやつ。

『そうやな･･･、』

電話がかかってくる。相手は、辻󠄀。タイミングが良いのか悪いのか。

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