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タバコを吸う度、熱いお湯を浴びる度、頭が冷静になり、事態の大きさに焦り出す。
『何でこうなってん･･･』
お酒の勢いとは、とてつもないものだ。理性をなくし、好きでもない相手であってもその気にさせてしまうのだから。
『上がったよ〜･･･って』
悩みの種は、私のベッドで二度寝を決め込んでいる。お風呂入るんちゃうんか。
『起きて』
辻󠄀「･･･ん、･･･」
『起きてってば･･･うぉ、』
辻󠄀「シャンプーええ匂いやな」
至近距離で話されたが、シンプルに気持ち悪いので辻󠄀の頭を叩いた。
『お前の女やないねんぞ、私』
辻󠄀「はいはい」
まだ濡れている髪をそっと撫でて、辻󠄀はお風呂の方に消えていった。乱れたシーツだけが昨晩行われた情事を彷彿とさせる。何だか気味が悪い。
『あ、タオル･･･』
ていうか、何で辻󠄀はカクテル言葉何で知ってたんだ。記憶の中では、調べたとか言ってたし。
辻󠄀「ありがとー、タオル」
『別にええよ、それぐらい。当たり前やろ』
辻󠄀「案外優しいよな、お前」
『･･･じゃあ、聞きたいことあるから聞いていい？』
辻󠄀「答えられる範囲なら」
『どうして、カクテル言葉なんて調べたの？』
オシャレなコントも漫才もしないコイツらがカクテル言葉なんて扱うはずがない。
辻󠄀「他の人に通じひんくても、お前には通じると思っただけ」
『私だけ？』
辻󠄀「俺、お前のこと好きやからさ」
『･･･え、』
辻󠄀「俺むっちゃ好きとか言うてた気がするけどなぁ･･･？」
コイツ、沸いてる。
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作者名：明烏 | 作成日時：2021年11月24日 8時
