世界を大喜利に変える人 (ページ21)

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この思いは-アメリカーノ-なのかページ21

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side＿tj

全然気づいてくれへん。もう色々と。

堂前「そのライター、やっぱ新しない？」

『そうなんすよ。辻󠄀が誕生日プレゼントでくれたんです』

楽しそうやな。

堂前「ライターなぁ･･･ふーん･･･」

『まぁ、タバコ吸うの知ってるからでしょうね』

あぁ、なんにも分かってへん。菊本が楽屋を出ると、堂前さんが近づいてくる。

堂前「キツイなぁ？」

辻󠄀「なんすか」

堂前「お笑いやとあんなに察し良いのにな」

どうやら、堂前さんは察しがついたようだ。とはいえ、バレたらバレたで動きにくい。

堂前「応援はすんで、無理かもしれんけどな」

辻󠄀「どうぞご内密に･･･」

にしても意外やなぁ、と笑われる。そうか、俺にしては意外か。

堂前「あんだけ可愛いとか言ってるのに」

辻󠄀「まともに取り扱ってくれないんすよね」

可愛いと言っているのは、本気。金髪を辞めた時もほんまに似合ってて可愛いと思ったから、そう言った。これは、おべっかでも何でもなくほんまに思ってるからで･･･。

辻󠄀「タバコ臭い」

『吸うねんもん、しゃあなくない？』

隣に来てくれると分かるタバコの香り。柔軟剤と混ざって変な匂いになる。けど、匂っていたい。変態か。

堂前「菊本、辻󠄀のこと好きなん？」

『それ色んな人に言われるんすけど、なんかそういうことちゃうくて、マブダチって言うか･･･マブダチなんすよね〜･･･』

マブダチ、か。そもそも俺が酔った勢いで、「俺らマブダチやもんな！」とか言ってしまったのが悪いねんけど。それからずっとこのテンション。俺らはマブダチで、ネタのことを言い合うような同期。大喜利がお互い好きやから気の合う同期。

やから、俺があげたライターの意味さえ汲み取ってくれない。

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