4.ちょっと戻ってお昼休み ページ6
お昼休みに屋上でいちごオレ片手に、メロンパンを食べてながら下を見ていると、下で何か動く影が見えた。
ちょっと柵に身を乗り出し、目を凝らす。
特徴的な紫色の髪に、所々に入った青色のメッシュ。
間違いない。神代さんだ。
その隣に、綺麗な金髪で毛先にかけてグラデーションになっている人が居る。
『何やってるんだろ、あの人。』
とメロンパンを一口かじり、いちごオレで流し込む。
最後の一口を口に放り込む。
それと同時に、ちょっとした破裂音。
…ヤな予感。
いちごオレも飲みきってから、下を覗くと、神代さんと隣に居る人が口論(?)をしていた。
そこに先生がやって来る。
あ、神代さん逃げた。
隣に居た人可哀想。
なんて他人事に思いながら、屋上を後にした。
.
.
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『着いた…。』
静かな場所に居たくて、図書室に来た。
ここならさすがに神代さんが来ても、静かにしているだろう、という感じがしたから。
適当に本を見繕い、テーブルに持っていく。
僕が持ってきた本を全体的に見ると、物語が多かった。
1冊1冊、時間を掛けて読む。
5冊目のページを捲ると同時に、僕の視界内に僕の知らない本の表紙が入ってくる。
顔をあげれば、神代さんが前に居た。
僕は少し頭を下げて、軽く会釈をする。
神代さんもそれを返してくる。
それを見たあと、また本に視線を向ける。
僕と神代さんの間に、窓から入ってきた生暖かい風が吹く。
静かなこの場所には、僕と神代さんの二人しか…。
…あれ?
さっき図書委員の人も居たよね…?
…まぁ、良いか。
この場所には僕と神代さんしか居ない。
するのは、ページをめくる時にする音だけ。
ここは居心地が良かった。
いつも騒がしくて、落ち着きのない教室と比べる必要すらないくらい。
また1ページ、また1ページとページをめくる。
神代さん、何読んでるんだろ。
と気になり、ちらっと本を見る。
そこにはびっしり英語が書かれたページ。
それを何でもないような澄まし顔で読んでいる神代さん。
すごいなぁ…。といらない所に感心してから本に視線を戻した。
今日のラッキーバーチャルシンガー
初音 ミク(ニーゴ)
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作者名:病帰-yamiki- | 作成日時:2021年7月11日 11時