自己満足です！(d!)【ヤンデレ】［リョナ] (ページ7)

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十字架ページ7

gr視点

今日は月が綺麗だ

紅い月
普通の人間にとっちゃただの紅い月だが、俺にとって…吸血鬼にとっては特別な月だ
座っていた椅子から立ち、窓を見た
自分の紅い目が、月と重なり爛々と光っている
嗚呼、血が飲みたい

そんなことを考えていると、タイミング悪く書記長のトントンが入ってきた

tn「グルさん、ここの書類の話やねんけど…」

gr「っ…あぁ」

俺が我慢してることなんて知らずに、スラスラと話し始めるトントン
俺がまだ理性を保っていられるのは
前に、トントンを傷つけないためにプレゼントと称して手渡した十字架のピアス
吸血鬼にとって、十字架は弱点だ
だから少し力が弱まる
それに…吸血鬼やってバレたら、トントンに嫌われるかも知らんしな

tn「って…グルさん聞いとる？」

gr「…おぅ」

tn「どしたん…熱でもある？」

そう言ってトントンは額を合わせた
こいつ…近づけんなそれ以上

tn「グルさ…い“っ?!」

ふっと意識が途切れて
ガリッという音と共に意識が戻った
目の前には血が流れ出るトントンの首筋
こんなご馳走目の前に我慢できるわけがない
欲望には抗えず、そのままかぶりついた

tn「グル…さ、ん？」

gr「あ……」

やってしまった
あれほど気をつけていたのに

gr「っ、ごめっ、トン氏…お、れ…っ」

tn「何泣いてんの…」

そう言いながらトントンはピアスを外して、ポケットにしまった

tn「例え吸血鬼でも、グルさんはグルさんやろ」

gr「っ…」

tn「血ぃ欲しい時は言ってや。ちゃんとあげるから」

トントンに嫌われなくて良かった
その安堵だけが心に滲む
トントンの血を一口飲んでわかったが、俺が好きな甘い味だった
頼っていいのならば、遠陵なく

gr「早速…血、もらってもいいか？」

tn「ええよ」