3-2小節目 ページ4
「ほーん薄っぺらい体にキンキンする声ってかなんやねんそのピンクのボサボサの髪！トンチキな服も！おいシャオロンこれホンマにその"今をときめくスーパーアイドル"？なんけ。」
「はぁ!?」
「あー!?失礼なやっちゃな。Aちゃんホンモノやん！正真正銘！そのスーパーアイドルが目の前におるんやで！あ、シャオロン言うねんよろしくー！」
「よろしくねシャオロン！ってか何よアンタレディに向かってその口の利き方！この国の教育どうなってるわけ!?」
「どこにレディがおるねん。」
「こ！こ！に！あと髪も服も流行の最先端！私こそが流行を作り出す存在！」
「A！どうかここは……穏便に……」
「社長が気弱だからこんなことになってるんでしょ!?……まぁ？受けた仕事に手を抜くことはしないわ。けどこの男だけは無理！」
「はぁ!?なんでお前にそんなこと言われなあかんねんグルッペン！今からでもシャオロンの俺交代でええやろ！こっちから願い下げじゃ！」
「決定事項だ。」
本当に！こんな国来るんじゃなかった！
こんなに嫌な奴に会うなんて！
社長が目の前にいる十数人に腰を低くして頭を下げているのに私も意固地になるのもちょっと大人げなかったかななんか思ったりして。
できるだけ存在を認識しないようにしよう。
それが私のできる最大の譲歩だ。
「Aさんこちらの雑誌の取材を！」
「Aさんポスターの写真を撮るのでこちらに。」
「Aさんサインプレゼントの分の300枚！よろしく！」
W国だとはいえコンサートの準備に入るスケジュールは一緒。ここにレッスンも入るものだから気付けば日は暮れている。
「到着早々お疲れ様A。僕はホテルに泊まるから、くれぐれも！コネシマさんに粗相のないようにね！」
「は、社長はホテルでいいのになんで私はっ！……あいつが粗相がなければ！私は何もしないわ！」
「その発言自体が粗相やわ。」
「ぎゃ！」
色気のない声やのぉ！と心底バカにしたような声でバカにしてくる目の前の男。いつの間に、なんて考える間もなく社長の顔は真っ青になっていた。
「今日の仕事終わりやろ。帰るぞ。」
「最悪ね。せいぜいもてなしなさいよ。」
「A！」
「分かった！わかったから……行くわよ。」
精々趣味の悪い部屋を笑ってやる！
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作者名：ミューゼス | 作成日時：2024年3月5日 14時
