【d!】この世界2人だけになっても【kn】 (ページ3)

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3-1小節目ページ3

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A

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「ここがW国……なんか、拍子抜けちゃった。普通ね。」

「下手なことを口にするんじゃない！」

意外と言うか流石と言うべきか、W国は美しく栄えている。
飛行機の下に見えていた殺伐とした一帯がW国に入った瞬間恐ろしく整備の整った道が地を這っているのは見物だった。
私のライブのために国境付近の都市からもバスが出るとか……案外国民にはいい政治を引いているんだろうこの国は。外交面はいざ知らず。

「い、今からこの国の総統と幹部の人が挨拶に来てくれるからね。決して！粗相のないように！」
「分かってるわ社長！私これでも用心への挨拶は慣れてるの。なんてったて私は今をときめくスーパーアイドルなんだ

コンコン

……から。」

「随分と威勢の良いお嬢さんがいらっしゃったようだな。ようこそW国へ。俺はこの国の総統、グルッペン･フューラー。貴女の国とこちらの国の架け橋となってくれる素敵なライブを期待している。」

「聞こえてましたよね。」

「事実だろう。縮こまって泣かれているよりマシだ。」

赤い目を光らせて、上っ面だけの笑顔を張りつけ握手を求めてくるグルッペン･フューラーさん。
その横でなにか良くないものでも見たような目をしているのがトントンさん。この2人はテレビで見たことがある。ニュースのコメンテーターに呼ばれた時覚えたから間違いない。

「……で、だ。俺は貴女の安全を必ず確保すると約束した上で招致した。悪いが宿泊施設とはいえ四方八方からの危険から守れるとはいいけれない。そこで幹部のコネシマが護衛として付く。そして彼の家に宿泊して貰う。」

「コネシマ……さん。」

「あー、俺や。……よろしく。」

「よろしくお願いします……？」

どうせ決定事項なんでしょ、なんて喧嘩腰に言おうもんなら明日の朝日が拝めないかもしれない。しどろもどろの挨拶を返せば不機嫌そうに舌打ちをして目線を逸らされた。

嫌な奴。