9小節目 ページ11
A
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「さて、フラウ。約束の一週間が経った。我々としては良い返事が頂けるように善処したつもりだが、お返事を聞かせてくれないか。」
啖呵を切って一週間。この七日で随分とコネシマと仲良くなれた記憶ばかりが残っている。目の前でご機嫌良くケーキを頬張り君も食べるといいと勧めてくる目の前のこの国のトップと隣で難しい顔をしている書記長さん。私の答えがわかってるかのような緊張感のなさについ小さく笑い声が漏れ出てしまう。
「コネシマに免じて、あなた達の要望の最低限のところを話し合うことに応じますわ。この国を見て回って、市井の人たちの流行や状況も今までの私の姿勢じゃマズいところがあった。だから変更して欲しいって仰るのも、納得がいったの。最初から言ってくれれば良かったのに、とは思いますがね！」
「ははっ！最後まで手厳しいお嬢さんだ！コネシマ！ようやったやん！」
「振り回されて一気に疲れたわほんま。……まあけど、悪なかった。」
「コネシマ……」
あかんわってならんかっただやからなと釘を刺してくるように重ねてくるけどコネシマが総統とあーだこーだと話している間に目が合ったトントンさんは頬を掻いて「Aさん？」と気まずそうにしながら目線を私に合わせるようにしゃがんであんな、と続けた。
「あんな、コネシマが女性に……Aさんみたいに気を許すて相当なんですわ。流石にわかりやすくて出すようなことはせんやろ思っとったけど、仲良おしてもろてありがとう。」
「おいトントン俺はガキちゃうぞ！ってか仲良おってなんや俺はこいつと仲良しこよししとったんとちゃうからな！」
「そうね。仲良しこよしはしてないわ。」
「そうなのか。毎日仲良く家に入っていったと報告は受けているんだが。」
「それはコネシマの家に泊まってるからで……一緒に行動してるのに何で別々に家に入ると思われてるの。」
「そりゃあ……なあ、トントン。」
コネシマやから。
二人は声を揃えてさも当たり前と言いたげに、なぁ、と顔を見合わせて何がおかしいんだと首を傾げる。
確かに、最初の方は進んで後から入ろうとしてきていたし私がただいまと使用人の人たちに声をかけてもスルーだったのに今では私に続いて挨拶をしている。
確かに、意識してなかったけど。
ちょっとでも信頼に足る人間だとは思ってくれてるのかな。
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作者名：ミューゼス | 作成日時：2024年3月5日 14時
