1小節目 ページ1
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A
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「はぁ!?W国で!?ソロライブ!?私が!?社長あんた……いくら積まれたのよ！」
「積まれてない！積まれてないけど分かるだろ、国からの要請だ……すまない！決定事項なんだ……。」
「しんっじられない！」
A。私の名前。
この名前を知らない人はこの大陸のどこにもいないと言っても過言では無い位、時代の最先端を行くトップアイドル。
その自覚はあるし誇りだってある。
スケジュールだって、片手で収まらない年月先まで決まっている。今を駆け抜ける力が私にはある。
そう思っていた矢先のスケジュール変更、W国での国家間の交流も取り持つための親善コンサート。それも事前準備や調整に本人も来いとの"総統からの直々のお願い"に社長はその首を縦に振ったのだ。その後で、私に何のひとつもの情報も入れず、事後報告で！
「W国って、正気!?私の安全とか考えてないわけ!?」
「勿論考えてる！万全の体制で迎えてくれると、連絡が来ているんだ。」
「警護あっち持ちなの!?警護に殺されるんじゃなくて!?」
「こらA！言い過ぎだ！」
W国と言えばこの大陸の超新星、とんでもない脅威などと散々な言われような軍事国家だ。
私の生まれ育ったこの国が大国であったのがせめてもの救い、かの国も初っ端から喧嘩を吹っ掛けてくるような頭の悪さではないらしい。
だから、親善とか……あの国の"親善"が何を目的としているのか、想像もつかなくて気味が悪い。
「わかった……行かないと諸々大変なことになるんでしょ？行くわよ、仕方なくね。その代わり！終わったら2週間のバカンス休暇をちょうだい。じゃないと私何するか分からないわよ。」
「あっ！ありがとうA！約束する！約束するさ！あぁ助かった！」
「私の命をなんだと思ってるのかしら全く……」
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作者名：ミューゼス | 作成日時：2024年3月5日 14時
