Valentin Stück 1 ページ9
A
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「ということで教えて欲しいの。みんなが一番なんやかんやとグルッペンといる時間が長いのはトントンだって。お願い！グルッペンにサプライズなんて難易度が高すぎることは分かってくれるでしょ⁉︎」
「分かるで？けどなぁ痛い目見るん多分俺なんよな？自分から死にに行きたくはないと言いますか……無茶ですわぁ。」
どれだけ頼み込んでも目の前のトントンはどんどん冷や汗をかいていくだけでちっともいい答えを聞かせてくれそうにない。
私はただグルッペンが好きなお菓子をバレンタインを渡したいからバレンタインフェアに一緒に行ってくれとお願いし続けているだけなのに。
「いや、うん。すまんてA。確かに俺らトントンがよお知っとるとは言ったけど流石に連れてって教えろはトントンがグルッペンに勘違いされてえらいことなってまう。うん。」
えらいことに、とは何なのかと首を傾げてもグルッペン以外が揃ったその空間でコネシマの意見に同意する顔が並んでいた。
そうか、えらいことになるんだ。
もうこうなれば納得して収めるしかない。ここでの暗黙のルールなのだろうから。
「じゃあどうしたらいいの……ねえ、友チョコは奮発するから！今から生チョコトリュフの材料買い足してくるから！」
「お、言ったな！作ってくれるんたくさん食べられるんええよなぁ！なあエミさん！」
「え、いやぁ……」
「あ！こいつ義理でもよう貰えんから顔真っ赤やぁ！」
ケラケラと笑うゾムに絡まれるエミさんを横に頭を抱える鬱くんとロボロ、そして空を仰ぐトントン。
「Aちゃん……？僕らにもくれるん？」
「うん勿論！けど量をご所望だからパックで持ってくるからね。パックで持ってくるなんて高校のクラスにばら撒いた時以来だから気合い入っちゃう。」
「あのぉ……グルッペンにも作ったったらええんとちゃう……？」
申し訳なさそうに小さく手を挙げて発言したロボロ。
なるほど、とポンと手を打ったがやっぱりなしと次に頭を抱えたのは私だった。
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作者名：ミューゼス | 作成日時：2024年2月6日 0時
