2粒目 ページ3
「今日はクッキーを持ってきたんだ。」
「グミ、好きなだけ取ってくれ。」
「プチシューどうだ？中に何のクリームが入ってるか当ててみろ。」
グルッペン君はなんと言うか、餌付けをしてくるのかと思うくらい沢山お菓子をくれた。案外面倒見がいいのかよく見ているのか、私の反応がいいお菓子は何回も持ってきてくれることもあったし最近は詳しい友人から教えて貰った紅茶まで入れて持ってきてくれる。
「グルッペン君から貰ってばかりで申し訳ないよ。ね、お礼がしたいんだけど何か……課題を手伝う、必要は無いよね。欲しいものない？」
「……いいんだ。俺がしたくてしてるから。お互い次が空きコマで暇だから、Aは俺のいい話し相手になってくれてるだろう？それでいい。」
「そう言われても引き下がれないというかね？」
はいそうですか、と引き下がれるほど薄情では無いと主張し続けるとでは、と明らかに今までに見た事のないあくどい事を考えている顔で手を取られた。
「俺の所属している団体へ招待しよう！後はそうだな。俺の手作りのお菓子でも食べてくれるか？」
「へ、グルッペン君お菓子作れるんだ。というか団体？」
「何、友達と集まっているだけだがちょうどいい空き教室を見つけてな。そこで屯しているだけだ。製菓には昔から少し興味があってな。とは言えまだ練習中、だが反応がなければ張合いもない。だからAはそうだな……最初は週に二回、そこで試食会をしてくれればいい。」
思ってもよらないその提案に私は特に何も考えずにそれでグルッペン君が納得するなら、と首を縦に降ってそのまま手を引かれるままにその空き教室とやらの扉を開いた。
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作者名：ミューゼス | 作成日時：2024年2月6日 0時
