バレンタイン▶︎贈呈 extra1戦目 ページ22
＿＿＿＿＿＿
A
＿＿＿＿＿＿
「あそうだ。チーノさん、バレンタインなんですけど何かリクエストあります？」
「え⁉︎あっ！あぁ！！」
「あ、あららぁ……GGです！」
「もう少しで勝てとったのに！くっそぉ……手元狂ったぁ……」
私たちは付き合った後もこうしてたまに仕事終わりや休みの日に一緒に遊びに行ったりご飯に行くだけではなくゲームをすることも続けていた。
ゲーム中のチーノさんはいつにも増してお喋りで音声を繋いでいなかった時はどんな独り言を呟いていたのかななんて考えた日には気になって夜眠れなくて、堪らなくて寝ていることも承知で電話をしたこともあった。
その日は一人で晩酌をしていたから気も大きくなっていて。兎にも角にも酒癖が実は悪いのかもしれないとその時頭をよぎったのは隠せない。……その時の寝惚けたような掠れたチーノさんの声にときめいて本格的に寝れなかったのは別の話。
そう、世の中はバレンタインシーズン。付き合って初めてのイベントに失敗は許されないと判断した私は直球でチョコなのか、流行りのマカロンなのかどのブランドのものを食べてみたいのかと問うた。
「それ俺に直接聞く？サプライズとかじゃないのんこういうのって……ビックリしたぁ。」
「じゃあ来年からはサプライズにしますね。一年あればチーノさんのこともっとしれてるはずなのでハズレはないはずだし。」
「じゃあって……うんじゃあオネガイシマス。今年はなぁ……Aから貰えるもんにハズレなんてあらへんよぉ……」
本当にこの人は彼氏さんとして出来が良すぎる。
さすがすぎる。そんな彼氏さんの欲しいものをプレゼントしたい。何が欲しいと念を押すとうーんうーんと悩みに悩み抜くような難しげにしている声が聞こえる。そんなに悩むことがあるのかな。
「それって既製品の中で選ばなあかん？」
「え？」
「うん、忙しいのは分かってんねん年度末近いしな？Aが最近むっちゃ頑張っとるんも知ってるねん……もしな、もしでええねんけど……Aの手作りが欲しいなぁ、なんて調子乗ってるよな、うん。」
手作り、私の。
お世辞にも料理が上手いとは言えない私の、手料理。
溶かして固めるだけなんて流石に気が引ける。せっかく先輩が初めて私の料理をリクエストしてくれた……！
絶対チーノさんをビックリさせられるようなバレンタインのスイーツ、作ってやるんだから。
バレンタイン▶︎贈呈 extra2戦目→←バレンタイン特別ストーリー予告
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
烏ノ(プロフ) - ミューゼスさん» お返事ありがとうございます！え！！そうだったんですね！ありがとうございます、嬉しいです！これからも頑張ります！応援ありがとうございます！！ (1月17日 15時) (
レス) @page20 id: 0d605b0b57 (このIDを非表示/違反報告)
ミューゼス(プロフ) - 烏ノさん» 烏ノさん初めまして、コメントありがとうございます。烏ノさんの作品読ませて頂いておりびっくりしてます……他でもない烏ノさんにお褒め頂けてとても嬉しいです。私も烏ノさんの作品いつでも待ってます！ (1月17日 15時) (レス) id: a70d28dc8c (このIDを非表示/違反報告)
烏ノ(プロフ) - 初めまして、烏ノ(うの)と申します。急なコメント失礼致します...！内容が良すぎて一気に最後まで読ませて頂きました...！また新しい作品を楽しみにしています！ (1月17日 3時) (レス) id: 0d605b0b57 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミューゼス | 作成日時：2024年1月11日 3時
