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原田「何回来ても無駄やで、カメ･･･堂前」
堂前「久しぶりやな」
会うのは、実に半年以上振りと言ったところだろうか。
堂前「お前、聞いたやろ？Aから」
原田「･･･華麗なる舞曲、やるらしいな。それに･･･一年の奴がトップ張ってるって･･･」
堂前「せやねん」
原田「でも、俺が戻らんでもええやろ」
きっと原田は、Aが言いたかった本質を理解していないと思う。俺らはただ、戻ってきて欲しいと言っているわけではない。
堂前「今、一年がトップをやってる。この事実が分かるか？」
原田「･･･そいつが上手いだけやろ」
堂前「違うで。それだけ、バンドのレベルが落ちてるというわけや」
正直、俺も皓平もAも今の現状で全国に行けるなんて思っていない。もちろん、今から周りの基礎力を上げたとしても、到底無理な話だ。これがどういうことか。
堂前「今から周りの基礎力を上げたとしても限界がある、いくら高校生や言うたってな。けど、それを打破するには何がええか」
原田「何やねん･･･」
堂前「色や。楽器に色を付けられる人間が居らんとあかん」
原田「それが俺と何の関係があるって言うねん」
堂前「お前が育てるんよ」
お前の手で永見を不動のトップ奏者に仕立てあげればええ。原田なら、無理なことはない。
堂前「きんも待ってるしな」
原田「あいつは･･･」
堂前「後輩を変な風にされたなかったら戻ってくるべきや。お前や･･･寺内、大西、阪本みたいな人間を作らんためにもな」
原田「･･･堂前ってそういうとこあるよな」
堂前「何が？」
原田「痛いとこ突く感じ」
堂前「俺はAみたいに優しないからな」
まぁ前向きに考えてみるわ、と言ってくれた原田の顔はもう答えが決まってるようにも見えた。戻るきっかけなんて人それぞれやけど、原田の性格的に先輩の出来るやつやからこういう責任感が取っ掛りになったというだけだ。
堂前「頼んだ〜」
原田「はいはい」
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作者名：明烏 | 作成日時：2021年12月21日 23時
