2. ページ12
・
side＿tr
大西は、抱え込みやすいタイプだ。何かと毒を吐くようなヒールキャラやけど、ほんまは心から音楽を愛する人間。やからこそ、抱え込みやすい。ほんまのことが言えへんから。
寺内「アンサンブル、おめでと」
ケツ「ありがとう･･･！」
寺内「･･･最近、大西のことよく考えんねんか？」
ケツ「大西？･･･やっぱ、彩先輩から話聞いた？」
寺内「え、なんで･･･？！」
ケツ「幸先輩と彩先輩、結構そういう軽いいじめ的なのに敏感らしくて･･･。俺らの場合、天然で無茶ばっか押し付けられてたというか･･･やから、ちょっとみたいなこと言うてたけど」
寺内「そっか･･･」
うちらの先輩は、天然で無茶ばっか押し付けてくる先輩やった。元より、ケツは高音が得意で綺麗やって、俺は低音を得意としていたし、好きやった。彩先輩は、そんな俺らの個性を尊重して、ケツを自分のアシに付かせて、俺を4thにしていた。けど、新体制になってからは、その逆になって、苦手やと言っていた高音を苦手克服という名目で、わざと俺にばっかりやらせた。
寺内「元から下吹き志望やったから、そう言うアンブシュアにしとらんかったし、それはケツも同じやんか？」
ケツ「そうやな」
寺内「そんでまぁ、嫌気さして、口壊れかけて･･･辞めた」
無理をしてた。無理せず、楽しむのが俺の信念やったのに、それを殺してまで俺はそこに縋りつこうとした。けど、限界が来た。そんな時に、大西から辞めようと言われた。それに乗った。ただそれだけ。
寺内「大西も考えとると思うよ、今回のことで」
ケツ「やとええけどな」
寺内「意外とそういうの真に受けやすいから」
ケツ「寺内は？」
寺内「俺？･･･俺はなぁ･･･」
俺は、どうしたいんやろ。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：明烏 | 作成日時：2021年12月21日 23時
