七つの大罪~光と闇の姫神子~ (ページ5)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:1,695 hit

３噂の"アイツ" ページ5

あれからまた、１ヶ月がたっていた。
まー、"アイツ"が現れるはずもなく……。リミックさんもなんかそわそわしてるし。村の人達も、何も教えてくれないし。

『もーー！何なのよーー！！』

私は、お気に入りの丘の上から叫んでいた。確かにさ、私はこの村の人間じゃないよ。でも、もうそろそろ中に入れてくれたっていいじゃない！

『………リミックさんの、馬鹿』

「リミック？お前、リミックの知り合いか？」

『………へ？』

突然、後ろから声をかけられた。
聞き覚えのある声。向こうの世界で、何度聞いたことか。まさか、まさかリミックさんや村の人達が言っていた"アイツ"って………。

『………メリオ、ダス……？』

そこには、金色の髪をした男の子・メリオダスが立っていた。

「……お前、俺と会ったことあるっけ？」

『あ、いや、えーと、リミックさんに教えられてて！！』

思わず出てしまった名前に、不振がるメリオダス。そうだよね。会ったこともない女に自分の名前を言われたら、不思議そうになるよ。

「そうか！なら、話しは早い！俺はメリオダス！よろしくな！」

『わ、私はA……よろしくお願いします』

まさかの出会いに、私は驚いてしまった。
そして、やっと出会えたと言う喜びも隠せなかった。やっと、…やっと、メリオダスに会えた。嬉しい。今まで、「ここはホントに七つの大罪の世界？」って思うほど、ずーっと疑ってた。だけど、メリオダスに会えたことで、疑いが晴れた。

ここは、"七つの大罪の世界"なんだ！！

「おーい。手、離してくんねぇかな？」

『あ、ごめんなさい！！』

どうやら、ずっと握っていたらしい。メリオダスに指摘され、私はメリオダスの手を離した。

『メリオダス……さんは、リミックさんに会いに来たんですか？』

「ん？まーな！様子を見に来たんだ。リミックのやつ、俺が行かねぇとすぐ死んじまうからな。たずな、引いてやらねぇと」

『……すぐ、死んじゃうって？』

あの元気印のリミックさんが、すぐ死んじゃうってどういうことなんだろう。まだまだ、知らないことばかりだ。