継ぎ接ぎうらおもて (ページ1)

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これは私の物だよ。ページ1

二時間目社会。あれから理香の私に対する態度が少し変わった。まぁ、カンニングを見られたっていうことなんだろうけど、いつも傲慢な理香があんなことで弱みを握れるとは思ってなかったから。咲歩と爽は気づいていないと思う。
それより私が感じた興奮は何だったんだろう？
疲れてたから、っていうことにしとこうかな。
理香は私の斜め前の席。隣の席は加藤瀬波。
気になっているって言えばいいのかな？せなっていう女の子みたいな名前と、飛び出したイケメンではないが爽やかな顔。それにすごく優しい。そんな感じだからまぁモテるよね。去年のバレンタインとか凄かったらしい。私も義理であげたけど。そんな加藤瀬波を理香は好きらしい。らしいって言うのは、みんなの前で言ってるから。私みたいにつくってるかもしれないからね。まさか理香と被るなんてね。。でも理香はみんなに公表してるからアピールしやすいだろう。ちょうど今、話し込んでる。ねぇ理香、あんた私に弱み握られてるの忘れたの？そんなんで男に媚び売ってんのかよ。案外軽いもんだったのかな？

休み時間。いつも通り教卓のところに集まる。
これは決まったわけじゃないけど、私の学年のクラスで目立つ子たちは教卓に集まってる。
理香は私にだけ謙遜する。そうすると爽とか咲歩だって気づくじゃん。どうせみんなにばれたと思ったら言い訳でもすんでしょ？
なら私にだけ弱み握らせてよ。

三校時目国語。やっぱり咲歩から手紙が回ってきた。
『結ー！ね、理香となんかあったの？結に対して態度変じゃない？教えて！』
咲歩はすごく気になっているみたい。まぁ、当たり前だよね。目立つグループのお笑い担当みたいな子ってさ、いじられキャラでもあるじゃん？そういう子は仲間割れのときに一人になりやすい。ただいじってただけです、って言えばいいもんね。だから咲歩もそんな感じ。
でも咲歩は本当は違う性格だと思うときが度々ある。咲歩も自分を作ってるんじゃないかって。だとしたら理香の足場を崩そうとしてるのかな？ごめんね咲歩。まだ私だけにさせて。
『咲歩なんもないよ！あったように見えた？』
手紙を回したあと。爽からの視線に気づいた。
私と理香と咲歩を交互に見てる。自分の知らないところでなにかある。って思ってるんじゃない？残念爽、手紙は爽に回ってこないよ。
みんな嗅ぎ回るなぁ
大人しくしとけよ