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ーー炭治郎sideーー
宇「善逸は来ない」
炭「善逸は来ないってどういう事ですか?」
伊之助と共に屋根の上で、天元と善逸、そしてAの定期連絡を待っていた炭治郎。そこに音もなく天元が現れ驚くも、天元の言葉に不信を感じた。
嫁を助けたいがために俺はいくつもの判断を間違えた、と。
善逸は今行方知れずだ、と。
天元はそう言ったのだ。
宇「お前らはもう“花街”を出ろ。階級が低すぎる。ここにいる鬼が上弦だったら対処出来ない。消息を絶った者は死んだと見做す。後は俺一人で動く」
炭「いいえ宇髄さん!俺達は……!!」
宇「恥じるな。生きてる奴が勝ちなんだ。機会を見誤るんじゃない」
そう言い、音も無く消えた天元。天元がいた場所を、炭治郎と伊之助は黙って見つめる。
炭「俺達が一番下の階級だから信用してもらえなかったのかな……」
伊「俺達の階級“庚”だぞ。もう上がってる。下から四番目」
伊之助はそう言うと、「階級を示せ」と言葉を発する。すると手の甲に“庚”と言う文字が浮き出た。
炭「えっ。ちなみにAは?」
伊「あいつは“丁(ひのと)”だ」
炭「えっ……」
Aの階級に驚く炭治郎。落ち込んでいると伊之助に背中を叩かれる。
炭治郎は言った。建物の中に通路があるのでは無いか。鬼は中で働いている者の可能性が高い。鬼が店で働いていたり巧妙に人間のふりをしていればいるほど、人を殺すのには慎重になる。バレないように。
伊「そうか……殺人の後始末には手間が掛かる。血痕は簡単に消せねぇしな」
炭「ここは夜の街だ。鬼に都合がいいことも多いが都合の悪いことも多い。夜は仕事をしなきゃならない。いないと不審に思われる。俺は善逸も宇髄さんの奥さん達も皆生きてると思う。そのつもりで行動する。必ず助け出す。伊之助にもそのつもりで行動して欲しい。そして絶対に死なないで欲しい。それで良いか?」
伊「……お前が言ったことは全部な、俺が言おうとしてたことだぜ!!」
二人は決意した。
善逸も、天元の嫁達も、必ず助け出す。
ーー天元sideーー
『今、なんて……?』
天元はAと人気が少ない路地裏にいた。先程炭治郎達に言った言葉をそのままAに話した。
宇「お前は竈門達とここを出ろ。後は俺一人で動く」
『私……っ、善逸も、雛鶴さん達も生きてると思います…!だから、諦めたくない……』
天元はAの顔を見た。
宇「(こいつ、成長したな……)分かった。俺はこの後京極屋に行く。お前も来い」
『……っはい!』
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アカドラ - ひなさんのに追加なのですが蝶屋敷で治療の場面も見てみたいです。点滴苦手な夢主ちゃんを天元様が頑張れと支える感じで (2022年2月17日 21時) (レス) id: 23df05fb02 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます!リクエストの件承りました!更新頑張ります!! (2022年2月17日 18時) (レス) id: d61d7e4bfb (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - アスパラさん» コメントありがとうございます!お宝作品だなんて(*´ω`*)嬉しすぎます!頑張ります! (2022年2月17日 18時) (レス) id: d61d7e4bfb (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - アカドラさん» コメントありがとうございます!リクエストの件承りました! (2022年2月17日 18時) (レス) id: d61d7e4bfb (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 今度ばんがいへんで、主ちゃんが血気術でなかなか下がらない高熱にうなされて、それで天元様が看病してくれるの読みたいです!!それと作品大好きです!!これからも頑張ってください! (2022年2月17日 11時) (レス) @page35 id: c44662b8ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななこ | 作成日時:2022年2月1日 8時