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『クー、クー、』
雛「燥ぎ疲れて寝ちゃいましたね……」
宇「そうだな」
帰り道。夕焼け色の中を四人は並んで歩く。天元の背中にはAが背負われていた。燥ぎ疲れて、歩いている途中で“眠い”とつぶやき、天元がおんぶしているのだ。
須「あんなに泣き虫だったのに。最近では泣かなくなりましたね」
ま「でも多分、この子の不安は心にあるんだ。それを私達が少しでも拭い去ってあげないと……」
雛「まきをの言うとおり。この子は私達の大切な“宝物”よ。この子が何処にいようとも、どんな時でも駆け付ける」
宇「俺はこいつの幸せを見届けるまでは絶対に死なない。あの日……Aを拾ったあの日から、そう決めてるんだ」
雛「天元様……」
天元が一番悔しいだろう。雛鶴は夫の端正な横顔をじっと見つめた。
宇「これから先、こいつにはいくつもの試練がやって来る。そう言う時に側にいてあげねぇとな」
雛「そうですね」
須「私、Aちゃんともっと仲良くなりたいです！」
ま「少しは静かにしな！Aちゃんが起きるでしょうが！！」
須「いったぁ！！まきをさんがぶったぁ！！」
いつもの光景。
天元はそれを見つめながら、背中ですやすや眠る己の弟子を落とさないようにもう一回背負い直した。
●
宇「A。ちょっとこっち来い」
『？なんですか？』
宇髄邸で素振りをしているAに話しかける。Aは素振りをやめ、天元のもとへ。
宇「お前にこれをやる」
『………これは』
天元が差し出した物にAは目を見張った。それは、天元が以前己の日輪刀につけていた鍔だったからだ。
『そんな！こんな大切な物いただけません！』
宇「良いんだ。貰ってくれ。お前の日輪刀も刃こぼれが酷いだろ？だから刀鍛冶の里に行って新しい刀にこれをつけてもらえ」
『師範……』
Aは天元からもらった鍔を大切そうに握りしめた。
『ありがとうございます、師範』
宇「おう」
善「Aー！！そろそろ任務行くよー！！」
『あ、はーい！では師範！行って参ります！』
宇「気を付けて行って来い」
天元は右腕でAの頭を優しく撫でる。
もう、あの頃の“泣き虫”はいない。
宇「……頑張れよ」
黄色い頭をした少年と元気良く任務に行く姿を、天元は優しい瞳で見つめていた。
“あの頃”の泣き虫少女を思い出しながらーー。
※ミア様からのリクエストです！こんな感じでよろしかったでしょうか？ありがとうございました！
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アカドラ - ひなさんのに追加なのですが蝶屋敷で治療の場面も見てみたいです。点滴苦手な夢主ちゃんを天元様が頑張れと支える感じで (2022年2月17日 21時) (
レス) id: 23df05fb02 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます！リクエストの件承りました！更新頑張ります！！ (2022年2月17日 18時) (レス) id: d61d7e4bfb (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - アスパラさん» コメントありがとうございます！お宝作品だなんて(*´ω｀*)嬉しすぎます！頑張ります！ (2022年2月17日 18時) (レス) id: d61d7e4bfb (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - アカドラさん» コメントありがとうございます！リクエストの件承りました！ (2022年2月17日 18時) (レス) id: d61d7e4bfb (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 今度ばんがいへんで、主ちゃんが血気術でなかなか下がらない高熱にうなされて、それで天元様が看病してくれるの読みたいです！！それと作品大好きです！！これからも頑張ってください！ (2022年2月17日 11時) (レス) @page35 id: c44662b8ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななこ
| 作成日時：2022年2月1日 8時
