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宇「よっ」
『師範……っ！！』
“お帰りなさい”と言ってAは天元に抱き着いた。天元も優しく抱き締める。
『炭治郎達は無事に潜入出来ました？』
宇「おう。竈門はときと屋。嘴平は荻本屋。我妻は京極屋だ。ま、大丈夫だろ」
『良かった……。それにしても師範、三人の女装なんとかならなかったんですか？』
宇「元はと言えば竈門がいけねぇんだぜ。蝶屋敷で任務に必要な女隊員を調達してたらあいつが止めやがったんだ」
そう言いながら天元は頭を掻いた。それをAが咎める。
『もう！女の子達にもう少し優しくしてくださいって言ったじゃないですか！』
宇「あー！あー！聞こえねぇー！」
『しーはーんー？』
Aと天元はその後笑いあった。
これが、二人の合図。
天元が瀕死の状態で帰ってきたあの日から。
ーー師範……！師範、死なないでよ……！！ーー
宇ーー馬鹿野郎……！俺様がお前を置いて死ぬかよ……！！ーー
あの日は
雨だった。
●
ーー今から2年前ーー
ザァァァァァ……
『………』
3日間続く長雨で、Aは眠れなかった。雨は気持ちを憂鬱にさせる。誰が言ったのかは知らないが、本当にそのとおりだ、とAは思った。
鬼殺隊音柱・宇髄天元に拾われてから2年が経つ。鬼に最愛の家族を殺され、目が覚めたら宇髄邸にいた。
『(両親を埋葬してくれた……。私は泣いてばかりだったけど……。それでも、いつしかこの人の元で強くなりたいって思うようになった)』
天元が任務に出てから1週間が経つ。
ガタガタガタッッ
雛「天元様！！」
ま「天元様、しっかりしてください！！」
須「天元様！」
『(外が騒がしい……。なんだろう？)』
嫌な予感がする。胸が脈を打つ。Aはそっと障子を開けた。
そこには
『っ！？！？』
血だらけで嫁達に抱えられている天元の姿をがあった。
『師範っっ！！！』
Aは裸足のまま外に飛び出す。雨でずぶ濡れになっても気にしなかった。
『師範！師範っ！！』
宇「Aか……」
雛「早く蟲柱様のところに……っ！」
『嫌……っ！！師範、師範！死なないでよ……！！』
Aは天元に抱き着く。自身の寝間着が血で汚れても構わなかった。それを天元が優しい手付きで抱き寄せる。
宇「馬鹿野郎……っ、俺様がお前を置いて死ぬかよ……っ！！」
●
『スー、スー……』
天元はあの日のことを思い、自身の腕の中で眠るAを見る。
宇「(こいつは俺が守る。命にかえても……)」
開けた窓から夜空を見上げる。
空には銀色の月が昇っていた。
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アカドラ - ひなさんのに追加なのですが蝶屋敷で治療の場面も見てみたいです。点滴苦手な夢主ちゃんを天元様が頑張れと支える感じで (2022年2月17日 21時) (
レス) id: 23df05fb02 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - ひなさん» コメントありがとうございます！リクエストの件承りました！更新頑張ります！！ (2022年2月17日 18時) (レス) id: d61d7e4bfb (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - アスパラさん» コメントありがとうございます！お宝作品だなんて(*´ω｀*)嬉しすぎます！頑張ります！ (2022年2月17日 18時) (レス) id: d61d7e4bfb (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - アカドラさん» コメントありがとうございます！リクエストの件承りました！ (2022年2月17日 18時) (レス) id: d61d7e4bfb (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 今度ばんがいへんで、主ちゃんが血気術でなかなか下がらない高熱にうなされて、それで天元様が看病してくれるの読みたいです！！それと作品大好きです！！これからも頑張ってください！ (2022年2月17日 11時) (レス) @page35 id: c44662b8ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななこ
| 作成日時：2022年2月1日 8時
