泣き虫継子 参【宇髄天元】

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ーー天元sideーー

妓夫「お前違うなぁ今まで殺してきた柱達と違う。お前は生まれた時から特別な奴だったんだろうなぁ選ばれた才能だなぁ妬ましいなぁ一刻も早く死んでもらいてぇなぁ」

妓夫太郎の言葉に、天元は怒りを覚えた。己に才能なんて無い。俺程度でそう見えるならテメェの人生幸せだな、と天元は言った。

この国は広い。凄い奴がウヨウヨいる。


得体の知れない岩柱。


刀を握って二月で柱になった霞柱。


そして


宇「俺が選ばれてる？ふざけんじゃねぇ。俺の手の平から今までどれだけの命が零れたと思ってんだ」


200人の乗客を守り抜いた炎柱。


宇「(そう。俺は煉獄のようにはできねぇ)」

妓夫「ぐぬぅぅ。だったらどう説明する？お前がまだ死んでない理由は何だ？俺の“血鎌”は猛毒があるのにいつまで経ってもお前は死なねぇじゃねぇかオイ。なぁぁぁ！！」


宇「俺は忍の家系なんだよ。耐性つけてるから毒は効かねぇ」

堕姫「忍なんて江戸の頃には絶えてるでしょ。嘘つくんじゃないわよ！」

嘘じゃねぇよ。忍は存在する。姉弟は九人いた。十五になるまでで七人死んだ。一族が衰退していく焦りからか、親父は取り憑かれたように厳しい訓練を俺たちに強いた。

俺は兄弟を殺したんだ。この事はAには言っていない。言うつもりも無い。知らなくて良い事実だからな。

その鍛錬で生き残ったのは俺と二つ下の弟のみ。弟は親父の複写だ。親父と同じ考え、無機質で冷徹。俺はあんな人間になりたくない。

お館様はそんな俺に“つらいね”と言ってくださった。


“様々な矛盾や葛藤を抱えながら君は、君たちはそれでも前を向き戦ってくれるんだね。人の命を守るために。ありがとう。君は素晴らしい子だ”


俺の方こそ感謝したい。お館様。貴方には。命はかけて当然。全てのことはできて当然。矛盾や葛藤を抱える者は愚かな弱者。


ずっとそんな環境でしたから。


なぁ、煉獄。


お前はどのようにAを導いたんだ？


お前が死んでからのあいつは、瞬く間に強くなっていった。


泣かなくもなった。


なぁ、煉獄？


俺がやって来たことは間違ってなかったよな？


俺が教えたことは間違ってないよな？


妓夫「お前もしかして気付いてるなぁ？」

宇「何に？」

妓夫「気付いた所で意味ねぇけどなぁお前は段々と死んでいくだろうしなぁぁこうしている今も俺たちはジワジワ勝ってるんだよなぁぁ」

伊「それはどうかな！？」

嘴平と我妻、竈門、そしてーー


『お前は絶対に許さない！！』

Aが上から降ってきた。

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