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『失礼いたします』
東郷「羽田Aさんです。結婚したいと思っています」
『初めまして…羽田Aです』
次の休日。私は社長の家に来ていた。社長のご両親に結婚の挨拶をするためだ。目の前には、これまた美しい社長のお母様と、優しそうな雰囲気をもったお父様。
静「初めまして、東郷がお世話になってます」
新田「まさか東郷が女性を連れてくるなんてなぁ。しかもこんなにカワイイお嬢さん」
『そんな…めっそうもないです』
静「どうやって東郷と?」
東郷「うちの面接にきた時に決めたんです」
え、そういう設定?あり得ないでしょ。
新田「一目惚れってやつだな」
東郷「そうです。お2人みたいに」
静「もう嫌だわ。親をからかうもんじゃありませんよ」
新田「でも…事実だからな」
静「あなた…恥ずかしいこと言わないで」
新田「はは…」
仲が良いな、と思った。二人共素敵なご両親ですこと。
東郷「今はやめてください。Aが引いてますよ」
『まさか…素敵なご両親で羨ましいです」
静「Aさんのご家族は?」
『あ…小さな蒲鉾屋さんをやってます』
○
また別の日の休日。今度は社長を連れて私の実家に挨拶に来ていた。
金太郎「ははははは」
桃子「…ったく、冗談もほどほどにして」
金太郎「大人をからかっちゃいけないよ」
東郷「冗談でも揶揄っているわけでもありません。真剣です」
金太郎「ど…何処の馬の骨かもわからん男に、うちの娘はやれん!」
桃子「お父さん」
『2人が落ち着いてよ』
東郷「ご不安にさせてしまい…すみません」
社長はお父さんに名刺を渡した。
金太郎「ラ•ブランシュ社長…って…Aの会社の?」
『うちの…社長』
東郷「お世話になっております」
雄也「で、新田ホールディングス…取締役。新田ホールディングスって新田ホテルの?」
『お父さん…震えすぎ…』
金太郎「ほ…本当に…Aでよろしいんでしょうか?」
東郷「僕には…Aさんしかいないんです」
侑李「キングの理想は姉ちゃんじゃない!」
『ちょっと侑李……』
東郷「はじめまして」
侑李「弟の侑李です」
裕翔「あともう1人…いるんだけどね」
東郷「あっ…おめでとうございます」
桃子「ありがとうございます」
侑李「キングは姉ちゃんのどこが好きなの?」
東郷「キング?」
『いいから…あの…部屋戻って』
東郷「全てだよ」
嘘だ。
その顔、笑ってないですよ、社長。
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作者名:なな姫 | 作成日時:2023年6月2日 22時