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涼介「……っ、」
手術室の前で俺は立ちすくむ。赤いランプがついており、今まさにこの中でAが手術をしているんだと思い知らされる。
侑李「涼介、座って待ってようよ」
涼介「……、ちね、ん、」
侑李「Aちゃんは大丈夫だから。ね?」
そう優しく俺に話しかける知念。俺は力無くソファに身を預けた。あのあと、知念が救急車を呼んでくれた。裕翔は警察を呼んだ。
俺は何も出来なかった。ただ
涼介ーーA!!A!!!ーー
Aの名前を叫んでいるだけ。
涼介「また、だ……」
侑李「また?」
涼介「……小学生の頃、今回みたいにAが虐められていたことがあったんだ。その時もあいつは一人で抱え込んでいた。俺に迷惑かけたくないから。原因は今回と同じ俺で、虐めていたやつに理由を聞くと、俺と幼馴染みであるAが気に食わなかったって……。だから虐めたんだって」
侑李「そんなくだらない理由で……」
と、ドタドタドタッッと誰かが走ってくる足音が聞こえた。俺はその音に顔をあげる。
宏太「涼介!Aちゃんは!?」
光「ちょ、薮声大きいって!」
涼介「……っ、薮ちゃん、みんな…」
Aの身を一番に案じているBESTのみんながいた。みんなの姿にまた泣いてしまう。
雄也「……涼介、大丈夫か?」
慧「大丈夫じゃないから泣いてんでしょ」
大貴「……姫野は、」
侑李「今警察署で取り調べ受けてる。一緒にいたゆーてぃもね」
宏太「そうだ裕翔!俺裕翔に言わなきゃいけないことがあるんだ」
裕翔「………、ごめん」
小さく聞こえた裕翔の声。その声にBESTのみんなが勢い良く振り向く。そこにはずぶ濡れになった裕翔が立っていた。薮ちゃんは裕翔に近付き、胸ぐらをつかむ。
宏太「なぁ!俺言ったよな!!Aちゃんのこと頼んだぞって!!絶対一人にさせるなって!!」
雄也「薮くん落ち着いて!」
裕翔「……っ、ごめん、ごめんね、やま」
涼介「裕翔が悪いんじゃない。……俺が、」
俺がこの世界に居るから
Aは傷付くんだ。
赤いランプが消え、手術室からAが出てきた。
侑李「先生!Aちゃんは!!」
「大丈夫ですよ。命に別状はありません」
光「良かった……!!」
「ただ、傷が思っていた以上に深く………」
涼介「……え?」
“もしかしたら、歩けなくなるかもしれません”
涼介「……っ、」
A……!!
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凛音(プロフ) - 楽しく読ませてもらいました!次回作のアンケートに答えてきます! (2023年4月14日 13時) (レス) @page50 id: f2426a3f71 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - はい!次回作の方も是非読まさせていただきます!! (2023年4月11日 22時) (レス) id: 94048c48c4 (このIDを非表示/違反報告)
なな姫(プロフ) - 近々執筆開始致しますので、その時はまたご愛読のほどよろしくおねがいします! (2023年4月11日 7時) (レス) id: cf5c6ec2c3 (このIDを非表示/違反報告)
なな姫(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます!そのように言っていただけて光栄です!プライベートで弱々になる山田涼介が居ても良いんじゃないか!と思い執筆いたしました。次回作はまだ頭の中で構想を練ってる途中です。 (2023年4月11日 7時) (レス) id: cf5c6ec2c3 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 主人公ちゃんと涼介の2人はどうなるのか。またはいつくっつくのかが楽しみで楽しみでしょうがなかったです♪ (2023年4月10日 22時) (レス) id: 94048c48c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな姫 | 作成日時:2023年3月6日 16時