◎ ページ34
慧side
慧「……この痣、誰に付けられたの？」
俺がそう言うと、Aちゃんは泣きそうに顔を歪めた。今日は以前からAちゃんと会う約束をしていた。そのことを知念に話したら、驚愕なことを言われたのだ。
Aちゃんが、誰かに虐められているかも知れない、と。
普段から仲が良い知念は最近のAちゃんの僅かな変化に気付いていたようだ。俺も“何かが違うな”と感じていたけど、その“何か”が俺には分からなかった。だけど知念はハッキリこういった。
侑李ーーAちゃん、自分では気付いてないかもだけど、よく腕を擦るんだよ。あとよくカーディガンを羽織ってる。おかしいよね？普段この時期はあまりカーディガン羽織らない彼女が羽織るようになった、なんてさーー
今日も案の定カーディガンを羽織ってきた。そして映画を鑑賞中、何回も腕を擦ってることにも目がいった。
慧「…もう1回聞くね。この痣は誰に付けられたの？」
Aちゃんの白い腕には似合わない紫色の複数の痣。これは明らかに、誰かに虐められている証拠。
Aちゃん、君は誰に脅されているの？
慧「………、知念が、言ってたんだ。最近のAちゃんは様子がおかしいって。テレビを見ていても、無理して笑っているようにみえるって」
『…ゆ、うり、くんが？』
慧「うん。……あいつ、Aちゃんのことめちゃくちゃ心配してたんだよ。薮も�睫擇癲△澆鵑福�君のこと心配してる。もちろん、俺も」
『………っ、ごめ、なさい、』
慧「謝らないで。俺はただ、君が抱えているものを少しでも和らぐことが出来たら、なんて思って今日会う約束したんだ。話したくないなら話さなくて良い。でも」
『……』
慧「俺は、君がこれ以上苦しむ姿を見たくない」
山田も多分、悲しむだろうから。
Aちゃんは糸が切れたように静かに泣き出した。良かった、誰も居なくて。俺はハンカチを差し出す。
『……っ、最近、仕事に行くのが辛いんです』
慧「うん、」
『怖くて、怖くて……。次何されるか分からなくて、でも断ると、涼介を傷付けるって脅されて。涼介が傷付くなら、私が我慢するしか無い、って思って……』
慧「山田を傷付ける？どういうこと？誰に言われたの？」
『………』
慧「……え、？」
姫野、愛花………。
知念、お前の“勘”はやっぱすげぇや。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 417人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛音(プロフ) - 楽しく読ませてもらいました！次回作のアンケートに答えてきます！ (2023年4月14日 13時) (
レス) @page50 id: f2426a3f71 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - はい！次回作の方も是非読まさせていただきます！！ (2023年4月11日 22時) (レス) id: 94048c48c4 (このIDを非表示/違反報告)
なな姫(プロフ) - 近々執筆開始致しますので、その時はまたご愛読のほどよろしくおねがいします！ (2023年4月11日 7時) (レス) id: cf5c6ec2c3 (このIDを非表示/違反報告)
なな姫(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます！そのように言っていただけて光栄です！プライベートで弱々になる山田涼介が居ても良いんじゃないか！と思い執筆いたしました。次回作はまだ頭の中で構想を練ってる途中です。 (2023年4月11日 7時) (レス) id: cf5c6ec2c3 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 主人公ちゃんと涼介の２人はどうなるのか。またはいつくっつくのかが楽しみで楽しみでしょうがなかったです♪ (2023年4月10日 22時) (レス) id: 94048c48c4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なな姫
| 作成日時：2023年3月6日 16時
