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涼介「……、」
”水瀬A、本人アカウントのTwitterを閉鎖。理由は1年前のアンチコメントか“
涼介「はぁ………」
AがYou Tubeチャンネルの動画を配信してから一夜が明けた。世間ではAのニュースが取り上げられており、ラインのトップニュースにもなっている。
涼介「Aの馬鹿……、なんで何も言わないんだよ、」
辛いなら、悩みくらい聞いてあげるのに。だけどここ最近の俺は新型感染症に罹ってしまい、一時は大変だったと主治医から聞いた。今は軽症にまで下がり、咳もだいぶ落ち着いている。
涼介「……まず。なんも味しねぇ」
病院食は以前よりも増してクソ不味い。なんでかと言うと、感染症のいわゆる後遺症というものだ。後遺症は、体がだるく感じたり、嗅覚が鈍くなったり、咳が続いたりなどと残るものは人それぞれ。俺の場合は味覚障害になった。食べ物が何も味しないのだ。
涼介「はぁ、……気が滅入るな」
ふと空を見上げる。空はどんよりと鉛色だった。あいつは今なにしてる?俺が隣に居なくて平気だろうか。
ーーりょーちゃんーー
涼介「A……っ、」
〜♪
涼介「え、……まじ?」
スマホが鳴り、画面をみるとそこには”水瀬A”の文字が表示されていた。
涼介「…もしもし?」
『もしもしりょーちゃん?元気?』
涼介「……うん、元気だよ」
久しぶりのAの声に、目頭が熱くなる。
涼介「Aは?」
『私も元気だよ。でも、……なんか、りょーちゃんの声が聞きたくなっちゃって……』
“それで電話しちゃった”そういう彼女の声はどことなく震えていた。俺は何も言わず、彼女の声に耳を傾ける。他愛もない会話が、こんなにも愛しいものと思える日が来るなんて。
『それでね、りょーちゃん…』
涼介「ん?どうした?」
『……、私、………りょーちゃんのこと、……』
涼介「うん。」
『……っ、やっぱ何でもない!』
涼介「何だよそれ!続き気になるだろ!!」
お互いに笑い合う。そのあとも会話を続けて、気付けばAと電話してから1時間は経っていた。
『ごめんね、長く話しちゃって……』
涼介「いや、全然良いよ。病院にいても暇だからさ」
『りょーちゃんの声聞いたら元気になった。ありがと、りょーちゃん』
涼介「どういたしまして。いつでも電話してください、姫」
『あはは!』
ふと空を見上げると
いつの間にか空は晴れていた。
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凛音(プロフ) - 楽しく読ませてもらいました!次回作のアンケートに答えてきます! (2023年4月14日 13時) (レス) @page50 id: f2426a3f71 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - はい!次回作の方も是非読まさせていただきます!! (2023年4月11日 22時) (レス) id: 94048c48c4 (このIDを非表示/違反報告)
なな姫(プロフ) - 近々執筆開始致しますので、その時はまたご愛読のほどよろしくおねがいします! (2023年4月11日 7時) (レス) id: cf5c6ec2c3 (このIDを非表示/違反報告)
なな姫(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます!そのように言っていただけて光栄です!プライベートで弱々になる山田涼介が居ても良いんじゃないか!と思い執筆いたしました。次回作はまだ頭の中で構想を練ってる途中です。 (2023年4月11日 7時) (レス) id: cf5c6ec2c3 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - 主人公ちゃんと涼介の2人はどうなるのか。またはいつくっつくのかが楽しみで楽しみでしょうがなかったです♪ (2023年4月10日 22時) (レス) id: 94048c48c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな姫 | 作成日時:2023年3月6日 16時