ファン公認の山田くんの幼馴染み。PART2《HJ》《R.Y》

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涼介「………」

梅雨入りして、雨が続く日が多くなった。今降っている雨も、三日前から降り続いている。新型感染症もなかなか収まる気配はなく、それどころか感染者は増加傾向。ジャニーズのコンサートもことごとく中止。

それ以外にも、俺には気になることが一つだけ。

涼介「(Aから電話が来ない……。何故だ？)」

今は夜の8時。いつもなら、この時間に週4回は必ず電話をしてくれるA。出来ない時でも週1回は電話をしてくれる。だが今週は土曜日になっても電話が来なかった。

涼介「明日になれば来るかな……」

Aの声が聞きたい。

俺から電話してみようかな、と思ったけど、仕事中だったらどうしようと思いやめた。それをAに言ったら、「夜の8時頃になったら電話するね」とのことだった。


〜♪


涼介「……、」

知念か。なんだ。そう思いながら俺はボタンを押す。

涼介「なんだよ、知念」

侑李「今Aちゃんだと思った？」

涼介「あぁ。知念だったから無視しようかと思った」

侑李「酷い！」

泣き真似をする知念に“冗談だよ”と笑う。

涼介「……なぁ、知念」

侑李「ん〜？なぁに？」

涼介「今週さ、Aから電話が来ないんだ」

侑李「仕事忙しいんじゃないの？」

涼介「そうなんだけど……。でもやっぱり、心配だよ」

俺がそう言うと、知念は“ん〜”と考えるように唸った。すると知念はあることを俺に言ってきた。

侑李「これは僕の推測でしか無いんだけどさ」

涼介「うん……」

侑李「最近、Aちゃんが主演のドラマやってるの、知ってる？」

涼介「おう。見てるよ、ティーバーで」

A主演の金曜ナイトドラマ「となりの悪女にご用心」はひょんな事からあまり関わりがなかったマンションの隣人・新田景子と親友関係になっていく。人付き合いの良い彼女は実はとんでもない悪女だった……という物語。昨日の第3話目。ついにその景子が“本性”を見せる回。その時のAの脅え方がリアルすぎる、とSNSで話題になった。

侑李「……、あれさ、あの演技、演技の度を超えてるんだよね」

涼介「……」

侑李「お化粧？……もさ、いつもと違うし……Aちゃんって役の時もあまりお化粧しない方じゃない？」

涼介「あぁ、……まぁ、確かに」

侑李「あの新人の女優が、なんか怪しい気がして…」

“推測だからね？”と念を押される。

名前は確か、姫野愛花。新人でいきなりダブル主演に抜擢された異例の新人。

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