MIU404 ヤンキー女子高生と理性刑事

彼女について ページ4

桔「最近、あの子の様子どう?」



志「相変わらずです。昨日も帰ったら肉じゃが作ってました」


桔「肉じゃが(笑)チョイスが渋い(笑)」


志摩は今、桔梗とスーパーに買い物に来ていた。二人の話題はもっぱらAのこと。


２週間前。


ある事件を追っていた志摩と伊吹は、一軒の家の前にいた。表札は山下。


その家には男がいた。名前は山下敬之(やましたのりゆき)。３８歳。二人は突入し、居間にある押し入れを開けた。その中に両手両足を縄で拘束され、口をガムテープで塞がれているAがいたのだ。


志摩はその時のことを思い出し、顔をしかめた。


”女子高生誘拐事件“


これが、志摩達４機捜が追っていた事件だ。


志「俺は………もう２度と、アイツをあんな目に合わせない。そう誓ったんです」



桔「私も、そう思ってるよ。ただでさえあの子はもともと大人を信用してなかったからね」



志「そうですね。でも最初は驚きました」


桔「何が?」



志「隊長がAを俺預かりにするって言った時」


桔「あぁ、それね。まー、適任が志摩しかいなかったから」


志「まぁ、おかげで今は騒がしい毎日ですが」


桔「それは良かったじゃない」



Aが来てから退屈しない。むしろ賑やかで騒がしい。その上度々伊吹が家に寄ってから帰るようになった。


桔「伊吹とはどう?仲良くやれてる?」


志「ヤンキー同士、仲良いです。この前カラオケ行ったとかなんとか」


桔「へぇー。そうなんだ。………ヤキモチ?」


志「はぁ!?俺が!?冗談はやめてください。隊長でも怒りますよ」


桔「あはは。ごめんごめん。あ、ハムちゃんからだ。もしもーし」


ハ”桔梗さん?今どこ?“

桔「今?志摩と二人で買い物中」

ハ”Aちゃんとゆた君が待ちくたびれちゃって寝ちゃったの“


桔「分かった。早めに帰るね。うん、はーい」


志「ハムちゃん、なんて?」


桔「Aがゆたかと待ちくたびれて寝たって」


志「子供か」



桔「さ、早めに帰りましょ」



志「そうですね」



志摩は幸せそうに寝ているであろう彼女を思い浮かべ、静かに笑った。

焼き肉パーティー→←桔梗家とハムちゃん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す