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10月25日
『……………』
部屋の出窓に飾ってある一枚の写真。その写真には、フランスの世界遺産・モン・サン・ミッシェルをバックにお父さんとお母さんが2人で仲良く手を繋いでいる。
ーーお父さん！お母さん！撮るよ？ーー
ーーあら。Aはうつらなくて良いの？ーー
ーーうん！だって、2人の笑顔撮るの好きだもの！ーー
この写真は、小学校6年生の時に撮った写真。私はそれに手を合わせる。毎日。毎日。朝、起きてきた時。夜寝る時。
試合の時。
そして
2人の命日。
2人は生前、こう言っていた。
ーー良い？A。もし私か雄大さんが死んでも、お墓は作らなくて良いからね？ーー
ーーえ？なんで？ーー
ーーだって、お墓作っても私達はそこに居ない。いつもAの心に居るから。それを忘れないことーー
だから私は、2人が亡くなった時、お墓は作らなかった。写真はこれ一枚。2人の笑顔がキラキラ輝いている、最高の一枚。
『(お父さん。お母さん。この代表決定戦で優勝したら、夢だった”全国“に行ける。空から祈っててください)』
ピンポーン
部屋のインターフォンが鳴った。私は横に置いてある鞄を持って立ち上がる。
『行ってきます、お父さん。お母さん』
そう言い玄関の方へ。ドアを開けるとそこには大地が立っていた。
『おはよ、大地』
澤「おはよ、A」
鍵を閉め、何も言わずに大地の隣に並ぶ。今日は雲ひとつない快晴。
なのに。
この胸のざわめきは何？
8月の一次予選の時もそうだった。でもその時は何も起こらずホッとしていた。あれから2ヶ月が経ち、そして今日。あの時感じた”嫌な予感“が胸にある。
『………、ねえ、大地』
澤「ん？なんだ？」
『…………』
澤「A？」
『…………』
澤「おーい」
言えない。大地の顔を見ると、途端に言えなくなる。不安になる。
ドクン
ドクン
不安で心臓が脈を打っているのが分かる。
私は右手で心臓の所を抑え、落ち着かせる。
澤「A？大丈夫か？」
『………、うん。大丈夫』
澤「あんま無理するなよ」
そう言い、大地は私の頭を優しく撫でた。その後旭、孝支、潔子と遭遇し、5人で学校へ向かう。
会場へ向かっている途中も
その胸のざわめきが
なくならなかった。
どうか。
何も起きませんように。
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ナハマヤラ(プロフ) - 白鳥沢の眠り姫が読みたいです。 (2021年5月5日 15時) (
レス) id: eb3cd14925 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - 新作案は、白鳥沢には、若の他に姫もも居るがいいです。 (2021年5月5日 10時) (レス) id: 349b72f88b (このIDを非表示/違反報告)
Kuro(プロフ) - いつも楽しみにしてます！新作案のは稲荷崎の3人目の宮がみたいです！ (2021年5月5日 7時) (レス) id: 064181918f (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - もみじさん» コメントありがとうございます！拝見してくださってありがとうございます。 (2021年5月5日 6時) (レス) id: c9732fe68c (このIDを非表示/違反報告)
もみじ(プロフ) - 初コメ失礼します！阿吽の夫婦大好きで読ませてもらってます！新作案という事で案を拝見させて頂きました！個人的に私は「白鳥沢の眠り姫」を読んでみたいなって、感じです！ (2021年5月4日 22時) (レス) id: 6839af96ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななこ
| 作成日時：2021年4月12日 23時
