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炭「俺の父のことなんですが」
煉「君の父がどうした!!」
炭「病弱だったんですけど」
煉「病弱か!!」
炭「それでも、肺が凍るような雪の中で神楽を踊れて」
煉「それは良かった!!」
炭「…………」
『(頑張れ、炭治郎)』
一つ一つの言葉に打てば響くように返す杏寿郎に、炭治郎は押し黙ってしまう。そんな炭治郎の姿をAは黙って見つめる。
炭「その!」
煉「なんだ!!」
炭「ヒノカミ神楽……炎舞!!」
咄嗟に出たのが、子供の頃に見た神楽だと言う炭治郎。“ヒノカミ神楽”について知っている事があれば教えてほしいとの事だった。
煉「ーーうむ」
『(ヒノカミ神楽………。聞いた事無いな……)』
煉「だが、知らん!!“ヒノカミ神楽”という言葉も初耳だ!君の父がやっていた神楽が、戦いに応用できたのは実にめでたいが、この話はこれでお終いだな!!」
明朗快活、単純明快。杏寿郎はこの二つの言葉が似合う。炭治郎は杏寿郎の返事に慌てて取りすがった。
煉「俺の継子になるといい!面倒を見てやろう!」
炭「待ってください!そして何処を見てるんですか!!」
杏寿郎の唐突な申し出を、炭治郎は全力で突っ込む。善逸が“変な人だな”と杏寿郎を見つめる。Aも杏寿郎と初めて会った時、天元と言う師範が居るのに”継子にならないか!”と言われた事があった。
『(まぁ今では師範が居ない時は見てもらってるから、有り難いと言えば有り難い……)』
目の前の席では伊之助が相変わらず外を見て興奮している。杏寿郎と炭治郎は“呼吸”について話していた。今の所、この列車内に変化は起きていない。
『(でも何だろう。この列車。不気味な“音”がする……)』
伊「わっははは!すっげぇすっげぇ!!はっええええ!!」
そんなAの不安を余所に、伊之助の笑い声が列車内に響いた。善逸が必死に引き戻している。
善「危ない、馬鹿この!」
伊「俺、外に出て走るから、どっちが速いか競争するっ!!」
善「馬鹿にもほどがあるだろ!!」
『伊之助危ないでしょ!』
”もう……“とAも善逸と一緒に伊之助を引き戻す。
煉「ーー危険だぞ。いつ鬼が出てくるか分からないんだ」
善「え……」
伊之助を抱えたまま、善逸は顔を杏寿郎の方に向けた。
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ななこ(プロフ) - ミアさん» コメントありがとうございます!ドラマCDの胡蝶姉妹、良い話ですよね(泣)分かりました!書かせていただきます! (2022年1月31日 22時) (レス) id: f3c05740c2 (このIDを非表示/違反報告)
melody(プロフ) - はじめまして!読ませて頂きました。続きがとっても気になります。更新楽しみにしてますのでよろしくお願いします。 (2022年1月31日 21時) (レス) @page38 id: 648912d438 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - ドラマcdで胡蝶三姉妹のような宇髄家の過去の日常をリクエストします! (2022年1月31日 21時) (レス) @page38 id: baa6bfc0d1 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - 月の舞さん» コメントありがとうございます!キメツ学園はいつか書こうかな、と思ってたので、番外編みたいな形で書かせていただきます!これからも応援よろしくお願いします! (2022年1月31日 19時) (レス) id: f3c05740c2 (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - ななこさん» 無限列車編 終わりましたね…。いよいよ遊郭編か、楽しみです‼️リクエストいいですか?キメツ学園編も見てみたいなぁ〜。遊郭編の後でも構いません💦 更新頑張ってください‼️応援してます (2022年1月31日 12時) (レス) id: 6295bdffb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななこ | 作成日時:2022年1月12日 14時