17.1 無限列車編 ページ12
『汽車の中も賑わってますね……』
煉「うむ。人が多いようだな。逸れぬように」
『はい』
無限列車の中は人が行き交っていた。Aと杏寿郎はそれを避けながら空いている席に座る。
煉「では。早速頂こう!」
『えっ。もう食べるんですか?』
煉「昨夜食べ損ねたからな!うまい!」
『(もう食べてる……。私は良いかな。なんか食欲無いかも……)』
煉「うまい!うまい!」
あまりに美味しいのか、杏寿郎は一口食べるごとに“うまい!”と叫ぶ。
『(人が見てるんだよなぁ……。相変わらず大きな声で“うまい”と叫ぶんだ……)』
乗客にジロジロ見られているのに気付く。確かに五月蝿くはあるが、Aにとって“これ”は日常茶飯事なのだ。
『煉獄さん。ちょっと席離れますね』
煉「うまい!」
『(聞いてるのか聞いてないのか……)』
Aは席を離れ、もうこの汽車に乗り込んでいるであろう炭治郎、伊之助、善逸の三人を迎えに行った。今朝の斬り裂き魔は自分達の目を撹乱する為の所謂“罠”。
『(煉獄さんが言ってた通り、無限列車の鬼は別にいる。もっと強力な鬼……。もしかして、十二鬼月?)』
炭「A!」
『あ、炭治郎!伊之助!善逸!』
考えながら歩いていると、いつの間にか後方車両に来ていた。そして炭治郎達と合流する。
善「Aちゃんもこの任務に就いてるの?」
『うん。炎柱の煉獄さんと一緒にね。炭治郎達もでしょ?』
炭「あぁ!」
伊「おいA!!俺達今、このヌシの腹の中だ!!俺様と勝負しようぜ!!」
『あはは。伊之助は相変わらずだね……』
善「本当。五月蠅いったらありゃしないよ」
伊之助を引きずりながらそう言う善逸に、Aは笑った。なんだかんだ言って、善逸はかまぼこ隊の常識人である。
『(炭治郎も意外とズレてたりするんだよね)』
善「そう言えば炭治郎。Aちゃんも言ってたけど、煉獄さんって言うのは“柱”なんだろ?顔とかちゃんと分かるのか?」
炭「うん。派手な髪の人だったし、匂いも覚えているから大丈夫だよ」
『そうか。炭治郎って一回煉獄さんに会った事あるんだっけ』
炭「あぁ。だいぶ近付いて……」
と、その時。
煉「うまい!」
『(まだ叫んでた……)』
炭治郎の言葉を探り、煉獄の“うまい”が聞こえてきた。
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ななこ(プロフ) - ミアさん» コメントありがとうございます!ドラマCDの胡蝶姉妹、良い話ですよね(泣)分かりました!書かせていただきます! (2022年1月31日 22時) (レス) id: f3c05740c2 (このIDを非表示/違反報告)
melody(プロフ) - はじめまして!読ませて頂きました。続きがとっても気になります。更新楽しみにしてますのでよろしくお願いします。 (2022年1月31日 21時) (レス) @page38 id: 648912d438 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - ドラマcdで胡蝶三姉妹のような宇髄家の過去の日常をリクエストします! (2022年1月31日 21時) (レス) @page38 id: baa6bfc0d1 (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - 月の舞さん» コメントありがとうございます!キメツ学園はいつか書こうかな、と思ってたので、番外編みたいな形で書かせていただきます!これからも応援よろしくお願いします! (2022年1月31日 19時) (レス) id: f3c05740c2 (このIDを非表示/違反報告)
月の舞 - ななこさん» 無限列車編 終わりましたね…。いよいよ遊郭編か、楽しみです‼️リクエストいいですか?キメツ学園編も見てみたいなぁ〜。遊郭編の後でも構いません💦 更新頑張ってください‼️応援してます (2022年1月31日 12時) (レス) id: 6295bdffb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななこ | 作成日時:2022年1月12日 14時